『アメリカン・サイコ』の生みの親が、リベラル系メディアを嫌う理由

ー有料コンテンツを始めたきっかけは何でしょう?

パトレオン・モデルはトリッキーで、支払い方法も複雑だ。本来私が望んだものではないし、開始当初の目論見とは少し違っている。間違いなく聴取者を限定することになるが、ある意味、自制して2週間ごとにポッドキャストの番組を作らねばならない状況も楽しんでいる。毎回私は関連するひとつの仕事として、30〜40分間のモノローグを用意している。だから1番組あたり1.5ドルを課金しても問題ないんだ。もしも番組が、自分と友人だけが出演し、昨夜のテレビ番組についてのくだらない話をしゃべるような類のものなら、気がとがめるだろう。だから人々がポッドキャストにお金を支払うことはないだろうと、私は考えてきた。支払う人もおらず、課金に対しては大きな抵抗があると思ったのだ。私は、人と同じことをしていてはいけないと思っている。平均的とか普通ではいけない。それが思い上がったエゴに見えても、それは構わない。

ーかつて自分のツイートが原因で攻撃を受けたことがありますよね。今、自分が書いたり発言したりすることで酷評を受けることを恐れていますか?

今は皆が、口輪をはめられているように感じていると思う。それは結局、自分がどれだけ稼げるかということにつながる。「私の思いや意見を述べてもよいですか」と言えば断絶や亀裂が起こり、その状況に耐えて何もなかったように振る舞うか、身を潜めるかを選択することとなる。隠れた生活など、私には想像もつかない。今の私は、完全に率直な人間として自分の意見を表現できることにとても満足している。

ー現在はあなたにとって、文化的に退屈な時代ですか?

私は20代、30代、40代の頃よりも間違いなく批判的になっている。それが年齢のせいなのか、文化がかつてよりも本当に退屈だからなのかは、わからない。私は今もなお興味津々で、そこが私と多くの友人たちとの違いだ。私はテレビをよく観るし、映画館へも足を運ぶ。若者が勧める音楽を聴くし、新しいフィクションなどの本も読む。それらの中から今も私は、自分のお気に入りを見つけることができる。“行ったことがある”とか“やったことがある”という単調さが今の文化にあったとしても、そのような好奇心は今なお効果を生んでいる。

ーリベラルの人たちとディナーしながら政治について語り合った、とツイートしていました。それは誰もがお決まりのショックや怒りを演じているからでしょうか?

まさにその通り。私は、トランプを嫌うミレニアル世代の社会主義者と同居している。私のボーイフレンドが証明してくれると思うが、私は政治に関心を持っていない。私は政治を巡る戦いの場に興味がある。対立する同士の戦い方や、メディアの変わり身が面白い。今ほどリベラルが鬱陶しいと思ったことはこれまでなかった。最高裁に対する絶望感や収容施設の様子を延々と流すリベラル系メディアのやり方など、この数週間は私にとって本当にいまいましい時間だった。明らかにゲームだ。レイチェル・マドーがTV番組で泣いて見せ、トランプと収容所の写真が映し出される。ユダヤ系ポーランド人の継父は、まだ幼児の頃に家族全員が殺害された。ナチやゲシュタポなどの単語を乱用したり、ワイマール共和国に例えることは、「あなたはそこへ行こうとしているのか?」と言うのと同じ。もうウンザリだ。#WalkAwayムーヴメントがあっという間に広まったのには理由があると思う。民主党への失望感だよ。多くの人々が興ざめしたのだ。

Translated by Smokva Tokyo

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