ap fesを通して見た食・アート・音楽のイベント「TRANSIT! Reborn-Art 2018」

ap bank fes(以下、abf)は、総合プロデューサーである小林と、櫻井和寿(Mr.Children)が、亀田誠治や河村“カースケ”智康ら名うてのミュージシャンと結成した集合体バンド、「Bank Band」を軸にしたタイムテーブルが特徴で、筆者が訪れた最終日にはindigo la Endやハナレグミ、MAN WITH A MISSIONなど幅広いジャンルのアクトが登場。炎天下での熱い演奏を繰り広げた。もちろんMr.Childrenも、Bank Bandと並ぶメインアクトを務めた。

「今年の後半は、今日のこの思い出だけで暮らしていけるくらい、精一杯やるよ!」

そんな桜井の熱いMC通り、この日のミスチルは映画『コード・ブルー』の主題歌としても知られる「HANABI」や「fanfare」、「忘れ得ぬ人」「GIFT」など2000年以降のヒット曲を中心に演奏し、ファンをもてなした。そんな中、「彩り」の歌詞にある、“僕のした単純作業が この世界を回り回って まだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく そんな些細な生き甲斐が 日常に彩りを加える”という一節は、ap fes引いてはRAFの理念を象徴しているようにも個人的には思えた。

また、Bank Bandにはチャラン・ポ・ランタンや高橋優、絢香、岡村靖幸らがゲスト・ヴォーカルとして交代で出演。ap fes出演は10年ぶりだという絢香、黒いスーツに赤いネクタイ&メガネ姿でキレキレのダンスを披露した岡村には、一際大きな歓声があがった。もちろん最後はSalyuが登場。櫻井と共に、 ap fesのテーマソングともいえる名曲「to U」と、そのアンサー・ソングとして作られた新曲「MESSAGE -メッセージ-」を歌い、20時前にメインステージの幕を閉じた。

以前、小林にインタビューしたとき、「つながり」や「出会い」、「一期一会」は自身の大きなテーマであり、最新作『Takeshi Kobayashi meets Very Special Music Bloods』でも、「音楽を媒介にして人と出会っていく」、あるいは「人を媒介として音楽と出会っていく」ことを意識したと話していたが、この「音楽」は、「アート」にも「食」にも置き換えることが出来る。小林にとっては音楽もアートも食も、人と人とが出会いコミュニケーションするために必要なものと考えているのだろう。

会場には野外ステージだけでなく「食」「アート」「ワークショプ」が楽しめる「Reborn-Art VILLAGE」が設置されていた。ここでは、全国の生産者とシェフたちのコラボレーションによるスペシャルメニューや、RAFと連動したアート作品の展示、「サステナブル/循環」をテーマにしたワークショップなどを展開。例えばアート作品として展示されていたのは、美術家・深澤孝史による「Reborn FLOWER HOUSE」。石巻市で実際に使われていた仮設住宅を移築し、その周りに木材や風船などを配置して「アート作品」にしたという。参加者も自由に風船を飾ることができて、お土産には「花の種」が渡される。この日も多くの親子連れが、色とりどりの風船を飾り付けていた。


「Reborn FLOWER HOUSE」




「Reborn-Art VILLAGE」内のフードメニュー


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