RSR密着レポート「愛される自由な共同体、BOHEMIAN GARDEN」

BOHEMIAN GARDENに出演したサニーデイ・サービス(©︎RISING SUN ROCK FESTIVAL 撮影:原田直樹)

今年で20周年を迎えた「RISING SUN ROCK FESTIVAL」(以下、ライジング)。今年もチケットはソールドアウトで、公式アナウンスによると、8月10日(金)、11日(土)の2日間で7万4000人が来場した。会場は札幌から車で30分ほどかかり決してアクセスがいいわけではない。小さなステージには無名なアーティストも多数出ている。それでもチケットがソールドアウトするのは、ライジングというフェス自体が愛されている証拠であり、ライジングが20年間日本のロックシーンを育ててきた証拠なのだと思う。

そんなライジングの中でも、コアファンに愛されているのが「BOHEMIAN GARDEN」という小さなステージだ。エリアマップを見ると、広大な敷地の、左上の隅にそのステージが記されている。そんなBOHEMIAN GARDEN(以下、ボヘミアン)に2日間密着した。

そもそもだが、ライジングは、広大なフェス敷地内のテントサイトにテントを張り、自由に動きまわりながら音楽を楽しむのが基本だ。いくつかあるテントサイトでメインゲートから一番遠いのが「FOREST」だ。その場に集うチルアウトを楽しむ人たちのために「オーガニック」「リサイクル」の実験の場のコミュニティとしてボヘミアンが始まったと、ライジングを主催する・WESSの取締役でありライジングのボス・若林良三氏が教えてくれた。若林氏の話によると、最初はタイムテーブルにも乗っていないステージで、サーカス的な余興などが行われていたらしい。その自由な空気に誘われ出演アーティスト達が勝手に集い、セッションをするようになったという。



「最初にセッションを始めたのが佐藤タイジさんですね。楽屋エリアにいるミュージシャンを集めてのセッション。それが2004年で、ボヘミアンが正式に始まった瞬間です」と若林氏が教えてくれた。なので、このステージの基本には「自由」「セッション」というキーワードもある。

そこにもう1つ新しい取り組みが加わった。2011年に福島第一原子力発電所事故が起こり、音楽産業もエネルギー問題に直面した。「電気を使うライブは不謹慎だ」という声が当時世の中に充満していたのを覚えていると思う。そんなときに新しい取り組みをしたのが、佐藤タイジだった。震災の翌年にソーラーエネルギーによる武道館でのフェスを実現させた。この時のライブを観た若林はSOLAR BUDOKANチームに連絡を取り、ソーラーエネルギーでのライブシステムをシェアしてもらうように頼んだ。そして、その翌年2013年から、8月開催のライジングのボヘミアンと9月開催の中津川THE SOLAR BUDOKAN(2013年より岐阜県中津川にて開催)は発電システムとエネルギーをシェアしながら開催されている。



実際、ボヘミアンのステージの横には176枚のソーラーパネルが設置され、発電を行っている。発電された電気は蓄電池に貯められ、ボヘミアンの音、照明の全ての電力を賄っている。食べ物でも産地で食べるが一番おいしいように、電気も地産地消が一番いい。この場合のいいは音のことで、ボヘミアンの出演者たちがMCでも言っていたがソーラー発電の音は素晴らしくいい。そんな音を、足元に草が絨毯のように生えているボヘミアンの会場で寝そべりながら聞くのは最高だ。なかでも2日目の「エマーソン北村&細海魚」の演奏は最高にチルアウトしていた。

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