盗作疑惑騒動、ローリン・ヒルがロバート・グラスパーに徹底批判

音楽史に残る1998年のアルバム『ミスエデュケーション』の盗作疑惑で反論したローリン・ヒル(Photo by Shutterstock)

音楽史に残る1998年のアルバム『ミスエデュケーション』で、他のミュージシャンの曲を盗用し、ツアーバンドに対し不当な扱いがあったというロバート・グラスパーの主張に、ローリン・ヒル本人が抗議をした。「なんでもあり、というところがあったかもしれない。でも、あれはすべて私の曲」。

ローリン・ヒルがアルバム『ミスエデュケーション』収録曲を“盗用”し、ツアーバンドに対して不当な扱いをしていたという主張に対し、本人が反論した。「事の次第を知ったのが遅かったもので、投稿もずいぶん後になってしまいました。申し訳ありません。長文になると思います。なにせ、私が最後に受けたインタビューは10年以上も前ですから……」と始まる反論状を公表した。

今月初頭、ジャズミュージシャンのロバート・グラスパーがヒューストンのラジオ局とのインタビューで、ローリン・ヒルが音楽史に残る1998年のアルバム制作中に、「彼の友人が書いた曲を盗用」したことを漏らした。『ミスエデュケーション』制作に携わっていた一連のミュージシャンたちは、のちに作曲クレジットをめぐってヒルを提訴していたが、訴訟は2001年に和解で終了している。

月曜日、ヒルはWebメディアMediumに長い反論状を投稿。グラスパーの主張に異議を唱えた。「『ミスエデュケーション』は、私がフージーズ以外のミュージシャンと仕事をした最初のアルバムでした。フージーズの時は、コミュニケーションも仕事関係も明確でした。同じように快適な環境を作ろうと、私は本来あるべき境界線をあえて作らず、必要以上に来る者は拒まずの状態だったのかもしれません」

「今になって思えば、別のやり方をしていれば誤解もなかったろうに、と思います。ですから、それ以降はアプローチを改めました。誰かを家の中に招き入れる前に、自分が求めるものとそうでないものを、自分にも周りにもはっきりさせるようにしています。私には何でもありというところがあったかもしれません。でも、あれはすべて私の曲です」

2008年に一時期ヒルのバンドに在籍していたグラスパーは、ヒルがツアースタッフに辛く当たることで有名だった、と非難した。「毎日彼女が現れると、自分の都合でショウを変更するんだ」とグラスパー。「最後のリハーサルの時は、彼女は現れもしなかった。彼女のマネージャーがやってきて、『君たちの音楽のとらえ方が、ローリンはしっくりこないそうだ。だから君たちのギャラは半分にさせてもらうよ』って言いだした」

この抗議に対し、ヒルも反論。「バンドのギャラを半分にカットしたなんて記憶はないし、証拠もありません。もし、ギャラが私の知らないところで勝手に交渉されていたとしても、私はまずミュージシャンたちに調整を頼んでいたはず。いずれにしても、正当な理由がない限り私は決して、気まぐれでギャラをカットするなんてことはしません。もちろん、ギャラをカットするアーティストもいます。ジェームズ・ブラウンは、彼のお気に召さないミュージシャンはノーギャラにしたことで有名だし、そういう人は他にもいます」

Translated by Akiko Kato

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