25年前のチャートを席巻したR&BユニットJodeciとスティーヴィー・ワンダーの感動的な共演を振り返る

1992年の Jodeci(ジョデシィ)(Photo by Raymond Boyd/Michael Ochs Archives/Getty Images)

25年前の8月、スティーヴィー・ワンダー「レイトリー/Lately」のカバーでR&Bチャートの1位を数週間独占したR&BユニットJodeci(ジョデシィ)。ワンダーとの感動的なエピードと共演動画を振り返る。

1993年、アップタウン・レコードの創業者アンドレ・ハレルはレーベル・アーティストのショーケースを行おうと、MTVでアンプラグド・ライブをする計画を立てていた。当時、このレーベル所属のアーティストには若かりしメアリー・J・ブライジ、ジョデシィ、ヘヴィ・D&ザ・ボーイズがいた。1991年のデビュー・アルバムからR&Bチャートでナンバーワンヒットを3曲出した前途洋々なジョデシィにハレルは声をかけ、彼らの実力を見せつけるために古い曲をカバーすることを提案したのだった。

ジョデシィはそのアイデアを受け入れ、一度も聞いたことのない曲ではあったが、ワンダーのアルバム『ホッター・ザン・ジュライ』収録の「レイトリー」を覚えることにした。それもアンプラグドの収録たった24時間前に。彼らのバージョンは原曲に忠実なアレンジながら、とてもシンプルなものだった。スロー・テンポがジョデシィの得意とするところで、彼らの「レイトリー」もスローな空間で美しく響いている。スローにしたことによって、ボーカルのケーシーにはエモーションを放出する十分な空間が与えられ、もう一人のボーカル、ジョジョも美しく蛇行するフォルセット・ランを思う存分披露している。

ジョデシィ版の「レイトリー」は大ヒットとなり、25年前の8月のR&Bチャートの1位を数週間独占した。一方、ワンダーのオリジナル曲はリリース時の1980年にトップ10に入ることがなかったのである。とはいえ、ワンダーはそんなことを気にも留めなかった。ジョデシィがジ・アーセニオ・ホール・ショーでこのカバー曲を歌ったとき、ホールはワンダーをステージへと誘導して、彼らとジョイントさせた。ワンダーは「I like the way you sing my song」(※この歌を歌う君たちの歌い方が好きだの意)のように、アドリブを入れさえしたのだった。

「あのアドリブを聞いて俺たちは『ああ、ジョデシィが認められた』と思ったよ。そして赤ん坊のように泣きじゃくったさ」と、あとでジョジョが言っていた。

Translated by Miki Nakayama

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