万能型エンターテイナーとして覚醒、MAXが語るアリアナ・グランデからの学び

2018年のサマーソニック、東京2日目のBillboard JAPAN Stageに出演したMAX。(c)SUMMER SONIC All Right Reserved.



また、ゼッドの「Beautiful Now」でボーカルをつとめていたジョン・べリオンとの共作曲「ベースメント・パーティー」では、近年EDM~トロピカル・ハウス系プロデューサー、サム・フェルドがリメイクしたことも話題となったダンス・クラシック「Show Me Love」のサビをヴォーカルパートで引用。パーティーを題材にした楽曲で、時代を越えて名アンセムが顔を出している。こうしたアイディアも、作家陣とのやりとりの中で生まれたものだそうだ。

「僕はアメリカ人としては背がかなり低くて、クラブに行っても背が低すぎて何も見えないんだ(笑)。それもあって、クラブ・ミュージックをかけて家でダンス・パーティーをやっているんだけど、この曲はジョン・べリオンとその楽しさを曲にしたもの。「Show Me Love」のフレーズは、『もしかしたら、僕の好きな曲を誰かが見つけてくれるかも?』と思って入れたオマージュなんだ。僕とライアンとのプロジェクト、パーティー・ピューピルスの曲「Sax On The Beach」でも、サビでシスコの「Thong Song」の「thong thong thong」という部分を引用しているけど、あの曲も僕が大好きな曲なんだ。ライブでカヴァーしているアウトキャストの「Ms. Jackson」もそう。アーティストとして活動していくからには、『世の中にはこんなにいい曲があるよ』ということを伝えていくのも、僕らの役目だと思うんだ」

「サマーソニックEXTRA」のひとつとして行なわれた渋谷クラブクアトロでの単独公演では、DJやギター/シンセを担当するライアンも従えてパーティー・ピューピルスの楽曲も演奏しながら、終始エネルギー全開のパフォーマンスを披露。アウトキャストの「Ms. Jackson」などカヴァー曲も交えつつ、ディスコやソウル、ファンク、ブギー、クラブ・ミュージックの要素をふんだんに詰め込んだ、古今東西のサウンドを繋ぐエンターテイナーっぷりを見せつけていた。そして何より印象的だったのは、ライブでは音源での洒脱できらびやかなイメージとは異なり、「不格好になってもいいから、とにかく目の前のみんなを全力で盛り上げたい!」という強い気持ちが伝わってきたこと。それは彼が音楽を通して見つけた、本当の自分を臆することなくさらけ出すことの大切さに繋がるものなのかもしれない。

「今回のアルバムのテーマは、僕が『どこからやってきた、どんな人間か』を伝えることだった。タイトルに出てくる『ヘルズ・キッチン』は、僕の出身地NYの地名だね。ヘルズ・キッチンはかつて治安がものすごく悪かった場所で、今は昔よりはましになったけれど、45年間そこに住み続けている母は、先週も強盗にあったくらいなんだ。信じられる? 本当に先週の話だよ(苦笑)。でも、自分の出身地だから、もちろん誇りに思っている気持ちもある。それと同じで、どんな人の中にも、暗い面と明るい面との両方があると思うんだ。僕は基本的にハッピーな人間ではあるけれど、ときには不安になるし、すごく悲しい気持ちになることもある。周りの上手く行っている友達のキャリアと、自分を比較してしまうことだってある。だから、このアルバムを通して、その両方の自分を受け入れたいと思った。『完璧な人間はいないし、誰にだってその両面がある』ということを伝えたいと思ったんだ」

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