ピンク・フロイドのリック・ライトによる12の代表作

(Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images)


5. 『サマー’68(原題:Summer ’68)』(1970年)

アルバム『原子心母(原題:Atom Heart Mother)』のアナログ盤B面に収録された、ライトの最も野心的で成功したソロ作品。A面は23分に渡るアルバム・タイトル曲が占め、B面は前作『ウマグマ』と同様のやり方でウォーターズ、ギルモア、ライトの各メンバーがそれぞれ中心となって楽曲を製作した。ライトによるバロック調の曲は、メロディの上にブラス・セクションとピアノで装飾が加えられている。アップビートな曲調ながら、歌詞はツアー続きの生活を反映した物憂げなムードだった。「友人たちは太陽の下で寝そべっている。僕もそこにいれたらいいのに。明日はまた別の街。そして君のような別の女の子に出会うのさ」

6. 『エコーズ(原題:Echoes)』(1971年)

アルバム『おせっかい(原題:Meddle)』に対するローリングストーン誌のレヴューでジャン=シャルル・コスタは『エコーズ』について、「過去のアルバムのテーマやメロディ・ラインを新たな音楽的フレームワークで再現し、アルバムのB面全体を占領するピンク・フロイドによる23分間の華麗なショー」と称賛している。叙事詩的な同作品の冒頭から3分間続く潜水艦のようなピング音は、ライトとギルモアがヴォーカル・パートのハーモニーを合わせている時に、ライトの弾くピアノをレスリー・スピーカーに通して得られたサウンドだった。『エコーズ』は、バンドの有名な1972年の映画『ライブ・アット・ポンペイ』のオープニングとエンディングを飾った。それから45年後の2016年、ギルモアは再びローマ時代の円形闘技場でライヴを行った。「ここで『エコーズ』をプレイできれば素晴らしいだろうが、リック抜きでやる気はない。リックと僕とのプレイには、何か特別なものがあったんだ」とギルモアは、ローリングストーン誌に語っている。2011年、『エコーズ』はローリングストーン誌の読者が選ぶピンク・フロイドの楽曲ランキングの第5位に入った。

7. 『虚空のスキャット(原題:The Great Gig in the Sky)』(1973年)

アルバム『狂気(原題:The Dark Side of the Moon)』においてライトは、『タイム(原題:Time)』で共同リード・ヴォーカルを務め、『アス・アンド・ゼム(原題:Us and Them)』を作曲した。しかし、この伝説のコンセプト・アルバムにおけるライトの重要な仕事は、エモーショナルなインタールード『虚空のスキャット』だろう。同曲はライトによる作品で、2005年までは彼が単独でクレジットされていた。後に同曲の共同制作者としてクレジットされるようになったクレア・トリーによる、歌詞のないソウルフルな高音の歌声は、曲に欠かせない要素となっている。ライトは後に、「僕がスタジオでコードをいくつか弾いていたら、たぶんデイヴかロジャーが“ふーん、いい感じじゃん。アルバムで使えそうだ”と言ったんだ。」と謙遜した。ウォーターズは同曲に対してもう少し感情を込めて語る。「素晴らしいコード進行だ。僕の個人的な意見では、『虚空のスキャット』と『アス・アンド・ゼム』のピアノ・パートはリックの最高傑作だ。どちらもとても美しい」

Translated by Smokva Tokyo

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