ディラン関係者、NYコーヒーハウス時代やジョニー・キャッシュとのブートレッグを企画中

1961年、グリニッチビレッジのザ・ビター・エンドで演奏するボデ・ディラン(Photo by Sigmund Goode/Michael Ochs Archive/Getty Images )

ディラン・チームは、今後のブートレッグシリーズでコーヒーハウス時代のコレクションとともに、1969年にジョニー・キャッシュと行ったデュエット曲を『Time Out of Mind(原題)』のボックス・セットとの並行リリースを思案中だ。

ボブ・ディランの『モア・ブラッド、モア・トラックス(ブートレッグ・シリーズ第14集)』は11月2日までリリースを待たなければならない。しかし、彼のチームは次のアーカイヴ・リリース計画をすでに考え始めている。現時点では確認されたものはゼロだが、ディラン・チームが最も意気込んでいるのが、ブートレッグ・シリーズでニューヨークのグリニッチビレッジのコーヒーハウスで歌っていた時代の作品をリリースすることだ。

「しばらく前からボブの初期のパフォーマンスを集めたブートレッグ・シリーズを作りたいと思っていた」と、ボブ・ディラン陣営に近い関係者が教えてくれた。「彼が公式の録音物を作り始める前の演奏を記録したテープを何十年も前から集めている。そういった演奏を聞くことは非常に興味深いと思う。きっと『ザ・ヴィレッジャー』みたいなタイトルになるんじゃないかな」。



この時代の彼の演奏を記録した録音物はファンの間では前々から噂になっており、とりわけ当時ディランのガールフレンドだったボニー・ビーチャーと彼の友人トニー・グローヴァーが1961年5月から12月にかけて作った3本組みのテープが話題になってきた。当時のディランのセットリストには「Baby Please Don’t Go(原題)」、「I Ain’t Go No Home(原題)」、「Man of Constant Sorrow(原題)」などのカバー曲が数多く含まれていた。「これまで誰も聞いたことのない、非常に美しい音響のテープが数本ある」と、件の関係者が言う。「もし、同じテープを持っている人がいたとしても、我々が持っているテープがオリジナルだ」と。

また、ブートレッグ・シリーズのアイデアとしてあがっているのが、ディランの1997年のカムバック・アルバム『タイム・アウト・オブ・マインド』を年代順に並べた作品だ。「あの当時をもう一度分析してみると非常に楽しいはずだ」とは関係者の弁。「(2008年のブートレッグ・シリーズの)『テル・テイル・サインズ』で数曲使っているが、あの頃の録音物がたくさん残っている。あのアルバム収録曲の異なるバージョンや初期のバージョンがあるんだ。しっかりとしたコレクションになるので真剣に考えている最中だ」と付け加えた。

Translated by Miki Nakayama

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