アメリカ現地時間10月6日、Cal Jam18の最後の1時間で噂が現実のものとなった。デイヴ・グロールがドラムキットの後ろに座り、ニルヴァーナのリユニオンが実現。ニルヴァーナの曲を6曲演奏して、フェスティバルを終えた。そこにはクリス・ノヴォセリックとパット・スミアーの姿もあった。懐かしのグランジ・サウンドが、当時最高のロックンロール・バンドの演奏が、束の間とはいえ再現された。
この短いリユニオン・セットはフー・ファイターズらしい大興奮・大爆発のライブの終わりと同時に始まった。ヴォーカリスト兼ギタリストのカート・コバーンの死によって唐突に終焉を迎えたニルヴァーナの後、1995年にグロールが結成したバンドがフー・ファイターズだ。彼らは結成から25年間、常にチャートを賑わす大人気バンドの地位を維持している。グロール自身、これまでニルヴァーナの歴史とフー・ファイターズを切り離して活動を続けてきたが、土曜日の夜、サンバーナーディノでプレイした彼は自分の過去を振り返って祝う心の準備ができていたようだ。
ニルヴァーナのメンバーは「サーヴ・ザ・サーヴァンツ」でリユニオン・セットの幕開けを告げた。ヴォーカルとギターはディアー・ティックのジョン・マコーリーが担当し、ニルヴァーナの曲に相応しいパワフルでエッジの効いた歌声を披露した。このセットは異なるスタイルのヒット曲で構成され、コバーンのノイジーな側面が出ている「セントレス・アプレンティス」、奇妙なポップ・フックが入った「イン・ブルーム」を含む前半の3曲をマコーリーが歌った。会場では多くのファンがスマートフォンでこの瞬間を撮影しようと腕を高く上げていた。
次に登場したのがジョーン・ジェットで、2014年に行われたニルヴァーナのロックの殿堂入りのシーンを再現した。彼女は狂気とパニックで彩られた「ブリード」からスタート。生粋のロックな荒々しさでこの曲をプレイしたあと、ジェット自身が弾くオープニングのギターリフから「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」に突入した。
リユニオン・セットのニルヴァーナ(Photo by Andy Keilen)この日の最後の曲は「オール・アポロジーズ」。ジェットの先導で、バンドはシンプルで死者を悼むようなアレンジを施したこの曲を演奏した。ノヴォセリックは自分のベースをディスティラーズのブロディ・ダルに手渡し、アコーディオンを手にとった。グロールも曲の最後でジェットと共に歌い、「All in all is all we are…」の歌詞と共にこの夜がフェイドアウトした。