モンティ・パイソンのエリック・アイドル、著作で60年代の喜劇界や音楽界を回想

モンティ・パイソンのエリック・アイドル(Photo by Ole Jensen - Corbis/Corbis via Getty Images)



―違う映画の質問をします。映画『モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン』用に「Always Look on the Bright Side of Life(原題)」を書いたときの話が本にあります。この曲を最初に録音したカセットテープを聞き直したことはありますか?

あれはひどい代物だ。楽曲自体はいいし、音楽部分はまるっきり同じさ。あれはジャズの曲なのさ。ただ、あの曲を記憶に残るものにしているのは、あのヴォーカルだ。(突然コックニー訛りで)「Some things in life are bad …」みたいな、厚かましくて、昔からよくあった陽気なキャラクターが歌に特徴を与えるわけさ。あれは、ロケ現場で私がミスター・チーキーを演じている最中に偶然生まれたもので、完璧だったね。彼も十字架にかけられているのに「元気を出せよ、なあ」って態度だ。あれは現場の照明スタッフの態度だった。みんな「なあ、大丈夫だよ。足だけじゃないか、だろ?」って(笑)。彼らはコックニー特有の楽観傾向を持っていた。あの楽天さはみんなで苦労を乗り越えたことで生まれたんだろうね、きっと。



―本にはジョージ・ハリスンの話もよく出てきます。初めて彼と会ったとき、そして二人で映写室に入って葉っぱを吸ったときはどんな感じでしたか?

(笑)あれは、本当にジョージらしかった。分かるだろう? みんなで夕食に出かけて、その晩は夜通しお喋りしたよ。ジョージの宿に戻ってから、ジョニ・ミッチェルに会いに行った。彼女はジョージが『ジョージ・ハリスン帝国/Extra Texture』のレコーデイングをしていたスタジオにいたよ。「ジョニに会いたいか?」と聞かれて、私は「もちろん、ジョニに会いたい」と答えた。彼女は隣の部屋にいて、最高だったね。そのあと宿に戻って、とにかく話し続けた。それがジョージなんだよ。話すネタがなくなるまで、とにかくお喋りを止めないのさ。

あのとき、私は「ジョンってどんな人?」と聞いた。そしたらジョージは「君のところのジョンってどんな感じ?」と聞いてきた。お互いに自分が属するグループについて話しているチンピラみたいだったよ。話をするうちに分かったことだが、彼と私はそれぞれのグループで同じような役割を果たしていたのさ。それぞれに強烈な障害物がある状態で。私が「マイケル・ペイリンとジョン・クリーズを同時に現場に来させるのが本当に大変だった」みたいに『〜ブライン』の愚痴を少しこぼしたら、ジョージは「じゃあ、レノンとマッカートニーと一緒にスタジオで過ごすことを想像してくれ」と言ったんだ。私は「わかった。確かにそうだよな。うん、オーケー、この話題は終了だ」と納得したよ。そして、実際に、私たち二人はお互いのグループで若干部外者的立ち位置で、似たような役割をしているってことを実感するに至ったよ。

―本の中の一章をロビン・ウィリアムスに捧げています。心を開いた彼はどんな人だったのですか?

彼が私の前でおちゃらけなくなるまで2年かかった。彼が私のことを理解して、笑わせる必要がないと分かってくれたときは本当にうれしかったね。彼にとっても、彼の家族にとっても、彼らの結婚生活も、本当に大変だったと思う。だって生身の彼は赤の他人を笑わせるキラキラした人じゃないから。彼は素敵な人だったよ。彼があんな形でいなくなってしまったことは最悪の悲劇だった。彼の緊張が解ける間、私たちは何度も会ったんだ。

Translated by Miki Nakayama

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