クインシー・ジョーンズを物語る26つの真実

15. オスカー【Oscar】

ジョーンズが繰り返しノミネートされたのは、グラミー賞だけではない。1968年に、映画『冷血』と『夜の誘惑』のサウンドトラックでオスカー候補へノミネートされたのを皮切りに、2018年までに7つのアカデミー賞にノミネートされている。1986年には映画『カラーパープル』で3つの賞にノミネートされた。しかし、数々の社会貢献を評価されて1994年にジーン・ハーショルト人道賞を受けるまで、ジョーンズは受賞を逃してきた。そう、クインシー・ジョーンズはエミー、グラミー、オスカー、トニー(EGOT)の全ての賞を手にしたのだ。

16. 魚座【Pisces】

1933年3月14日生まれのジョーンズの星座は魚座。そのプロフィールは彼に合致する。魚座は一般的に、クリエイティビティが高くイマジネーションに富み、音楽の才能があり、寛大で情け深いとされる。正にジョーンズが人生で示してきたそのものだ。直感的で情にもろいという占星術の水のエレメントに当てはまるジョーンズ自身は、占星学を真面目に信じている。

17. クウェスト・レコーズ【Qwest Records】

キャリアの早い段階でジョーンズは、ほとんどのミュージシャンは音楽ビジネスを理解しないために業界で生き残っていけないことを悟った。1980年、彼はワーナー・ブラザース・レコードと共同でクウェスト・レコーズを設立した。ジョーンズに経済的な基盤を与えただけでなく、自分の思い通りにアーティストを育成して世に出す機会を得た。同レーベルには、ジョージ・ベンソン、パティ・オースティン、テヴィン・キャンベル、ニュー・オーダーらが所属。さらにジョーンズの幅広いビジョンを反映し、フランク・シナトラとジョイ・ディヴィジョン(解散後)という、普通では考えられない組み合わせが同じレーベルに所属した。

18. レイ・チャールズ【Ray Charles】

ジョーンズとレイ・チャールズは、お互い音楽的に早熟だったティーンエイジの頃にシアトルで出会った。すぐさま意気投合した二人は生涯の友となり、それぞれの幅広いキャリアの中で、その後幾度もスタジオで顔を合わせることとなる。2001年にケネディ・センター名誉賞の授賞式で披露したチャールズのパフォーマンスは、ポップカルチャーの歴史に強烈な印象を残した。ピアノの前に座ったチャールズが、ステージ上から長年の友人で音楽の巨匠であるジョーンズに声をかけ、飾らない言葉で兄弟愛を表現した。ステージのバルコニーにいたジョーンズは、それを聞いて涙した。

19. サウンドトラック【Soundtracks】

ポップの世界での足場を築こうと模索していた1960年代と70年代、ハリウッドに実入りが良くやりがいのある仕事を見つけた。ジョーンズは『冷血』、『ミニミニ大作戦』、『ウィズ』、『ルーツ』などの映画のサウンドトラックから、テレビコメディ『サンフォード・アンド・サン』の耳に残るファンキーなテーマ曲『ストリートビーター』まで、彼の持つ幅広いサウンドのパレットやテクスチャ、テクニックを駆使し、さまざまな楽曲を手がけた。さらにサウンドトラックの仕事を通じ、駆け出しの興行主としてエンターテイメント業界にもネットワークを広げた。

20. トランペット【Trumpet】

キャリアを通じてさまざまな楽器を演奏してきたジョーンズだが、トランペッターとしてのキャリアが語られることは少ない。バークリー音楽大学で学んだ彼はジャズの技を磨き、さらにアート・ファーマーやディジー・ガレスピーら世界一流のトランペッターとの交流により、トランペッターとしての輝かしい未来も思い描いた。しかしその後、アレンジ、指揮、作曲、プロデュース業が忙しくなり、1974年に脳動脈瘤を患ったことで、彼のトランペッターとしてのキャリアは完全に終わった。それでも彼のトランペッターとしての才能は、彼の残した軌跡の中でもほとんど語られることのない興味深いコーナーストーンとして残っている。

Translated by Smokva Tokyo

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