音楽評論家・田中宗一郎と映画・音楽ジャーナリストの宇野維正が旬な音楽の話題を縦横無尽に語りまくる、音楽カルチャー誌「Rolling Stone Japan」の人気連載「POP RULES THE WORLD」。2018年9月25日発売号の対談では、アメリカで2018年の初週セールス最高記録を叩き出したドレイクの最新作『スコーピオン』について、田中が解説している。
田中「今回の『スコーピオン』は2枚組って体裁じゃないですか。特にディスク2では大ヒットしている“In My Feelings”みたいに、もはや自らが火をつけたダンスホールじゃなくて、ニューオーリンズ・バウンスなんだ、っていうトレンド・セッターとしての側面を見せている。これは今まで通りのポップ・アーティストとしてのドレイクですよね。ただ一方でディスク1は、リアルなナラティヴをオネストに語るというラッパーとしてのドレイクを意識的に提示しようとしてる」