英ヴァージン・グループ創業者、「音楽フェス疲れ」の現代人を魅了する新イベント計画

フェスティバルへの関心低下の原因についてメディアは辛辣な見方をしており、2017年には少なくとも3媒体で「音楽フェスティバルが多すぎないか?」というタイトルの記事が掲載されている。また、アメリカ国内中にフェスティバルが広まる過程で詐欺行為や開催中の事故などが広がり、これに恐れをなしたファンも少なくない。現在も参加者の怒りが収まらないFyre Festival。土壇場のキャンセルでOX Festivalに出演できなかった多数のミュージシャン。FYF Fest、Meadows Festival、LouFestとドミノ倒しのように次々とキャンセルされたフェスティバルがあったことを思い出してほしい。

しかし、ブランソンとフェルツは、フェスティバルに疲れたファンを魅了するフェスティバルを提供すると自信満々に言う。

「音楽、テクノロジー、イノベーションががっちりと合わさることが我々の考える差別化要因だ」と、フェルツが説明する。「フェスに合わせて作られたほとんどのアプリはラインナップのチェックだけで、せいぜい自撮りアプリがあるくらいだろう。そこにイノベーションは皆無だ。想像してほしい。アプリを使うと、そのアプリが食べ物や飲み物を自分がいるところへ運んでくる世界を。誰かの横に座ってお喋りする世界を。自分の友人をクリックするとステージのどこかで会える世界を。自由席入場料を払って買ったパスで会場に入ったものの、それが間違いと気づき、VIPパスに変更したいと思うかもしれないことを。そのとき、アプリを使って自動的にアップグレードできることを。想像してみてくれ」と。

フェルツはヴァージン・フェストには「ハイエンドのフェスティバルでしか経験できないレベルの清潔さ」を持たせたいと言い、プレスリリースに書いてあるように「エコなウォーターサーバーや清潔な水洗トイレ」を設置するということだ。衛生状態の良さは称賛されることとはいえ、新しいフェスティバルの最大の売りとしては魅力にかける。しかし、ブランソンもフェルツもこの点を強調する。

「まずは会場だ。土ほこりと泥だらけの野原のど真ん中は絶対に避けたい」と、フェルツが言う。暗にコーチェラのエンパイア・ポロ・グラウンドを示しているようだ。そして「会場の発表はまだ先だが、野原にステージを設営しただけの会場ではなくて、最適な施設のあるワールドクラスの会場になる予定だ」と付け加える。

Translated by Miki Nakayama

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