ホラーの巨匠、ジョン・カーペンター監督が親子三世代で熱中していること

映画『Halloween(原題)』のセット内に立つジョン・カーペンター。(Photo by Jamie Lee Curtis)

40年前に自身が始めたホラー映画『ハロウィン』のシリーズ作品をこれまで一度も認めてこなかったジョン・カーペンター監督が(「オリジナル作品だけが私が作ったものだ。それ以外は承認していない」と言う)、19日に全米で公開されたオリジナル作品と同タイトルのシリーズ最新作『Halloween(原題)』に「承認」の印を押した。

最新作を監督したデヴィッド・ゴードン・グリーンが持ってきたプロットに惚れ込んだカーペンターは、この作品の製作総責任者兼作曲家として契約書に署名。最新作では、カーペンターのオリジナル『ハロウィン』に続いて製作されたシリーズ作品で展開した内容をすべて捨て去り、最初の殺人から40年経った現在のストロードが、刑務所から出所したブギーマンと対峙するストーリーになっている。「このストーリーが本当に独創的で新鮮だと思った」とカーペンターが言う。そこで、自身の息子コーディ、孫のダニエル・デイヴィーズの協力を得て、1978年に頭の中で思い描いていた背筋が凍るサスペンスに満ちた音楽の手直しを図ることにした。

オリジナル作品のサウンドトラックは意図的に急いで作られたものだ。カーペンターがある映画スタジオの重役に音楽無しの映画を見せたところ、彼女は怖さがないと言ったため、南カリフォルニア大学のシンセサイザーの教授ダン・ワイマンと一緒に3日間で音楽を完成させた。「使ったのはチューブ・シンセサイザー、ピアノ、レコーダーだけ」と、カーペンターが当時を振り返る。「ダンに『弦楽器っぽいサウンドをくれ』と言うと、彼がシンセを調整して弦楽器っぽいサウンドを作るってやり方で、かなり大雑把な作り方だったよ」と。あの薄気味悪いメインテーマは、ウェスタン・ケンタッキー大学の音楽部長を務めたこともある音楽教師だった父親に、カーペンターが10代の頃にボンゴを教わったときに聴いたものだという。「4分の5拍子だったんだけど、なぜかそのフィールが気に入っていた。そこでメインテーマに使うことにしたわけだ」と言った直後、彼は自虐的にこう言って笑う。「最高に弱腰な回答だな。ごめん、謝るよ」

Translated by Miki Nakayama

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