トランプ政権反トランスジェンダー政策、米軍入隊禁止問題でも加熱

「歴史を振り返れば、一部の人々が軍隊から除外された時期はたしかにありましたが、そのたびにそうした措置は廃止されてきました」とレヴィ氏。「軍隊での人種差別も撤廃されました。女性の戦闘部隊配属を拒否する障壁も取り除かれました。ゲイやレズビアンの従軍を阻む試みも覆されました。そしてその都度、軍隊は強くなっていったのです。今、あらたな障壁が、再び取り除かれるのを待っています」

「この件の渦中にいる人々は、男女問わず、長年軍に奉仕し、実戦で戦ってきた大勢の兵士たちです。彼らの望みは祖国を守ること、それに尽きます。もし政治の議論に軍指導者たちの意見が有効なのであれば、彼らの言葉に耳を傾けて、適正かつ資格を満たす全ての人々に入隊の機会を与え、従軍を認めるべきでしょう」

従軍の可否がアメリカの全てのトランスジェンダーの最大関心事というわけではないが、性別に関する草案が発覚した今、入隊禁止令の施行を認めれば、さらなる差別に歯止めがきかなくなるだろう、とレヴィ氏は説明する。

「入隊可否の問題は、市民権にかかわる問題。国民とは誰なのかという問題なのです」とレヴィ氏。「もし今回の措置がまかり通ってしまえば、現政権は間違いなく、雇用、医療、教育など他の分野でも障壁を設けてくるでしょう。トランスジェンダーのコミュニティだけでなく、我々全員に恐ろしいメッセージを発信しているのです。一部の人間の命は、他の人間の命よりも価値がないのだと」

レヴィ氏いわく、入隊禁止や性別に関する法案は、こうしたメッセージを発信することが目的であるように見える。

「現政権は一貫して、周辺に追いやられた弱い立場の人々を標的にしています。悪質な政治目的があるとしか思えません。大統領の先のトランスジェンダー入隊禁止令や今回新たに発覚したメモは、トランスジェンダーの市民権保護剥奪に踏み切ろうとする連邦政府の意図を物語っています」

Translated by Akiko Kato

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