MØが語るディプロとチャーリーXCX、“ネバーランド”で見つけた故郷との絆

ー本作には4組のゲストも参加しています。ディプロは言うまでもないとして、以前から何度か共作・共演しているチャーリーXCXの名前も、「If It’s Over」にありますね。

MØ:ええ。チャーリーと私はほぼ同時期にブレイクして……活動歴で言えば彼女のほうが長いんだけど、同時期に同じような立場にいるアーティストとして親しみを感じていたの。ほら、チャーリーも私も元々インディ・アーティストとしてスタートして、だんだんポップに変化していったでしょ? だから、知り合ったのは2014年なんだけど、それ以前から彼女と自分は同じような道を歩んでいるんだという意識があった。で、2014年に初めて対面した時、即座に惚れちゃったの。すごくスウィートで、飾らない性格の女性で、一緒にいると楽しいし、エネルギーを漲らせているし(笑)。ソングライターとして大きな才能の持ち主であるだけでなく、表現者としても然りで、様々なポリティカルな主張もしている。だからすごくクールな人だと思うし、私たちが一緒にいると、すごくフレンドリーなエネルギーが自然に生まれるのよ(笑)。アルバムに参加してもらえて本当にうれしいわ。

そういう意味ではもうひとりのゲストである、エンプレス・オブにも同じことが言えるわね。彼女についても以前から大ファンで、ほぼキャリアが重なっていて、2013年のSXSWで初めて会ったの。びっくりするくらいスウィートでクールな人で、どうしても「Red Wine」に参加してもらいたかった。それで打診してみたら、即座に返事をくれてやる気満々で、彼女にも感謝しているわ。ほんと、めちゃくちゃクールな人なの(笑)。


アルバムの発売を記念して、MØ本人が「好きな女性アーティスト」をセレクトしたプレイリスト。チャーリーXCXやエンプレス・オブに加えて、カミラ・カベロ、シルク・シティ、リタ・オラといったポップス・シーンの最前線で活躍するアーティストから、彼女に影響を与えたであろうスパイス・ガールズやマドンナといったポップス系や、クランベリーズ(ドロレス・オリオーダン)やソニック・ユース(キム・ゴードン)といったロック/パンク系のアーティストたちの曲が選ばれている。

ービジュアルの話もしたいんですが、アルバム・ジャケットはファーストとは全くテイストが違いますよね。どんなコンセプトのもとに撮影したんですか?

このジャケットについては、言わば、マジカルなリアリズム、みたいなもので遊んでみたかった。何しろタイトルは『フォーエバー・ネバーランド』だし、さっきも話した通りに、LAという町を全編を貫く底流として位置付けている作品だから、LAで撮影したことは言うまでもなく、ブルーの空を背景に、どこか子供みたいな無邪気な要素を含んだヴィジュアルを目指していたの。ただ、子供みたいなところがありつつも、実は大人であることを仄めかしつつ。ジャケットに限らず、このアルバムにまつわるビジュアル制作は本当に楽しかった。それに、確かに前作とは全然テイストが違うわよね。あの時はブラック&ホワイトでまとめることにこだわっていたの。その点今回はずっとカラフルで、私自身にとってもすごく新鮮で、うん、気に入っているわ(笑)。

ー続いてファッション絡みの質問をいくつか。去年あなたは大胆にヘア・スタイルを変えましたが、この先新たに試してみたいスタイルはありますか?

う~ん……どうだろう、とりあえず今後ほかのスタイルに変える可能性があるとしても、少なくともあと4カ月間はこの髪型をキープすると思うわ。だってものすごく気に入っているの。ほら、私のファッションは基本的にアンドロジナスなテイストなんだけど、ショートヘアだとはっきりした色の口紅や大き目のイヤリングで遊べるし、すごくフェミニンな服を着ても面白い。ヘア・スタイルが男っぽいと、うまくバランスが取れるのよ。それって楽しいでしょ? これまで随分長い間ロングヘアだったから、女っぽくなりすぎるのが嫌で、色が控えめの口紅を選んだり、ドレス系の服を避けていたりしていたの。でもショートヘアなら、ほかの要素を思い切り女っぽくすることも可能なのよ(笑)。

ー最近、特にお気に入りのブランドはありますか?

私の場合その時々に結構変わるし、なんだかんだ言って一番重要なのは、ビンテージとハイエンドなデザイナーものをミックスすることだと思っているの。常にそれは意識しているわ。で、昔からずっと好きなのがアレキサンダー・ワンね。あと、今はすごくバレンシアガにハマっているの。ただバレンシアガに関しては、今ものすごくノってるブランドだから、誰もが夢中なのよね! 地元のデザイナーだとアストリッド・アンダーセン(Astrid Andersen)という人が好き。それからガニー(Ganni)もオススメよ。かなり有名なブランドだから、日本でも買えると思うけど。デンマークならこのふたつがまず思い浮かぶわ。ほかにも素敵なブランドがたくさんあるけど。

ーオフの時はどんな風に過ごしていますか?

何もできないくらいめちゃくちゃ疲れている時を除けば、間違いなく、自分にとって大切な人たちと一緒に過ごすことを最優先するわ。だって離れて過ごすことが多いから、わずかでも時間が見つかったら、そうせずにいられないの。めちゃくちゃ疲れている時はNetflixを見てるか、寝てるか、どっちかね(笑)。

ーNetflixのお気に入り番組は?

『ル・ポールのドラァグ・レース』なんだけど、全エピソード見ちゃったから困っているの。あとは『ボージャック・ホースマン』と『Project Catwalk』ね。

ー日本にはすでに2度来て公演しています。2度の訪問を振り返って特に印象に残っていることはありますか?

ええ。ひとつじゃ済まないんだけど、まず日本に行った時のことを振り返ってみて最初に頭に思い浮かぶのはー厳密には東京の話なんだけど、日本全般にも言えることなんでしょうねー目に入る人みんなが、素晴らしいファッション・センスの持ち主だったってこと。あんなにも服を買うのにたくさんのお金を使ったことは、あとにも先にもないわ(笑)。どのお店でも何かしら買いたいものがあった。なぜって、日本で売っているものはすごく親しみが持てるんだけど、どこかがひと味違って、ヒネリがあるのよ。クリーンなんだけどエキサイティングな要素が含まれていて。うまく言い表せないのよね。とにかく夢中にさせられたの。そして食事も最高だったし、デザインとか美意識においても素晴らしいし、本当に楽しかった!

ー最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

いつも応援してくれてありがとう! 日本の人はみんな親切だし、行くたびに心から滞在を楽しめたから、できるだけ早く、またみんなと会うためにそっちに行きたいと思っているわ!



MØ


『フォーエバー・ネバーランド』
発売/配信中
SICP-5908/2,200円+税
国内盤CDには、配信限定でリリースされていた自身の人気楽曲「ファイナル・ソング」「カミカゼ」「ナイツ・ウィズ・ユー」の3曲が追加された全17曲を収録。
試聴・購入リンク:
https://lnk.to/MO_ForeverNeverland
日本公式サイト:
http://www.sonymusic.co.jp/artist/mo/

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