Yogee New Wavesが考える愛の宿る芸術とは? 5つのキーワードから語る

5. 愛を感じる場所。
「愛は神聖なものだと思うから」(粕谷)

角舘:俺は小中高とカトリックの学校に通っていたんですけど、教会ってすごいなって思う。聖歌隊の和音とか、オルガンの響きとか……なにかを超越する力みたいなものがあるんですよ。トリップする感覚に近いというか、なにもかもがわからなくなっちゃう。

アフリカ大陸の原住民たちが、同じリズムのビートをずっと流しながら、踊ったりセックスしたりすることで、トランス状態に入っていたっていう話があったりするじゃないですか。それに近いものだと思うんです。頭が真っ白になる感覚。しかも、そこから感じられるのは、誰かに対する愛とかではなくて、もはや「神がいる」みたいな感覚で。

粕谷:わかるかも。教会じゃないけど、石神井公園っていう西武線の駅があるんですけど、そこに三宝寺池っていう池があって。そこはめちゃくちゃ神聖な雰囲気があるんですよね。小さな社と湖があって、真ん中に小屋が立っているんですけど、そこは本当にスピリチュアルな空気があるんです。都内なのに、動物の発する音しか聞こえない不思議な場所で。そこはなんだか愛が溢れてるなって思うし、あそこには大切な人しか連れて行きたくないんですよね。

竹村:わかる。そういうところって大切な人しか連れて行きたくないよね。

-「場所」という観点になると、これまでお話していただいた「個と個」や「家族」のような小さな人間関係における愛とは、また違ったニュアンスが出てきますね。思い出の場所などが出てくるかと思っていました。

粕谷:「愛を感じる場所」っていうと、なんかもっと、神聖な場所をイメージしました。愛は神聖なものだと思うから。

角舘:そうだね。今年、ロンドンに行った時に、セブンシスターズっていう断崖絶壁に行ったんです。そこでも、自分の中の煩悩や考え方がぶっ飛ぶ瞬間があって。風と波と崖と死を目の前にして、なにもかもが無になる感覚。そういう状態になると、昨日の悩みなんてどうでもよくなる。

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