インターポールが振り返るデビュー時の苦難、ストロークスと築いたNYロック黄金時代

インターポールの最新アーティスト写真 (Photo by Jamie James Medina)

インターポールの13年ぶりとなる単独来日公演が、11月6日(火)に東京・マイナビBLITZ赤坂で開催される。今回は2002年のデビュー作『ターン・オン・ザ・ブライト・ライツ』の再現ライブに加え、今年8月に発表されたニューアルバム『マローダー』の曲を含めたベストヒットを披露する、二部構成のスペシャルライブになるという。今年8月にプロモ来日したダニエル・ケスラーが、バンドの新境地とデビュー時のエピソード、2000年代初頭のNYシーンについて語ってくれた。

-フジロックで、アルバート・ハモンドJr(ストロークス)に会ったばかりなんですよ。

ダニエル:そうなんだ。彼は僕らの新しいミュージックビデオにも出ているよ。

-へえ、なんでまた?

ダニエル:メキシコで記者会見をやった時に、彼もちょうどいたんだ。「The Rover」のビデオを撮ることになって、ホテルのロビーでミーティングをやっていたら、そこにアルバートがいたから「よう!」と声をかけた。そして、アルバートがビデオに出てくれたら面白いだろうという話をしていた。彼も数日後にはメキシコを発たなくてはいけなくて、取材の予定もたくさん入っていたようだけど、3秒くらいビデオに友情出演してくれてね。嬉しかったよ。

-アルバム発表の記者会見は大掛かりなものでした。あのアイデアはどこから?

ダニエル:メキシコで発表する案は10年くらい前からあったんだ。メキシコのファンからは長年、手厚いサポートを受けているから、僕らも感謝の意を示したかった。それで『マローダー』をレコーディングしている時に、マネージメントやレーベルと話し合いをして、メキシコシティでアルバムの発表をすることになり、記者会見を行うプランに発展したんだ。



-「The Rover」のMVにも、記者会見の映像が使われていましたよね。

ダニエル:ポール(・バンクス)にはこのMVに関するアイディアがあったんだけど、メキシコで記者会見を行うことになったから、その設定をカリフォルニアからメキシコに移すことにした。そのアイディアを打ち合わせしながら、「この記者会見とMVが混ざり合ったら……」という話になった。つまり、現実とフィクションの世界を交差させるわけだ。とはいえ、アドリブによるところも多いし、覚悟も必要だったよ。会見はネット上で生中継されていたから、大失敗するかすごくクールに見えるかのどちらかだった。

-もちろん一発勝負でしょうし。

ダニエル:会見にはファンやジャーナリスト、セキュリティも集まっていたからね。そこに放浪者(The Rover)が乱入してきた時は場の空気も混乱して、「あいつは誰だ、なんでポールの頭をあんなに触っているんだ?」となっていたけど、会見はそのまま進行し、みんなその出来事を忘れてしまった。そして、その後にMVが公開されたことで、あの出来事が何だったのか理解するわけだ。あれはとてもエキサイティングな企画だったよ。



-ちなみに今日も、記者会見の時みたいにスーツを着こなしていますね(取材当日は猛暑日だった)。インターポールといえばスーツ姿が思い浮かびますが、バンドのコンセプトとして意識しているのでしょうか?

ダニエル:そういうわけではないよ(笑)。僕はもう20年くらい毎日スーツを着ている。その方が自分らしくて落ち着くし、ジーンズを履くことに違和感すら覚えるくらいだ。でも、インターポールのユニフォームというわけではない。ポールはむしろ逆の格好をよくしている。服装の話をバンド内でしたことはないけど、みんな自由にやっているよ。ステージで演奏したり、撮影がある時にはスタイリストがついたりもするけどね。

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