ザ・レジデンツの創設者、脳腫瘍により73歳で他界

ザ・レジデンツ(Photo by Randy Bachman/Getty Images)

謎に包まれたアートロック・バンド、ザ・レジデンツの創立メンバーで主要コンポーザーのハーディー・フォックスが、脳腫瘍との短い戦いの末に73歳でこの世を去った。

10月31日、「深い哀悼とともにクリプティック・コーポレーションは長年事業を共にしてきたハーディー・フォックスの逝去をお知らせします」と、バンドが声明を出した。

「1982年から2016年まで弊社の社長を務めたハーディーの本能的なリーダーシップと的確な方向性の見極めによって、弊社は恩恵に与りました。しかし、彼の本当の価値は長年にわたるザ・レジデンツとの活動にあります。グループのプロデューサーで、エンジニアで、多くの楽曲でコラボレーターでもあったフォックスの影響力は決して消せないものです。どんな正式なトレーニングにも負けないほど、ハーディーの音楽は非常にユニークで、非常に洗練されており、多くの作品を残しました」

レジデンツの声明はこう続く。「活き活きとした美的感覚に優れ、鋭敏な耳を持ち、不条理に対してこの上ない愛情を持っていたハーディーの笑顔こそが周囲の人間にとって喜びの源でした。彼の死が惜しまれます」

9月にフォックスはSNSで自分の死を事前に報告していた。「そうだ、俺は病気になった。この世界からもうすぐ消えることになるが、『すべて』大丈夫だ。俺の脳の中に何かできたようで、もうすぐ終わりを迎えることになる」と、フォックスは投稿に記した。「みんなも知っている通り、俺は73歳だ。脳の機能が低下している。しかし、ほぼ死人だっていうのに、今はまだ脳が少し機能している。さっき、医者が薬物を投与したよ(笑)。とにかく、これが俺の最後の投稿だろう。見に来てくれてありがとう」

50年という長いキャリアの間中、レジデンツはメンバーを公表しない匿名バンドとして活動してきた。2011年にフォックス自身がThe Quietusのインタビューで、レジデンツは「楽器を奏でることではなく、共有するアイデアをもとに活動するグループ」と語っていたが、彼らの匿名でいるという望みに反して、最終的にはグループの創設者の一人で最重要コンポーザーあるホーマー・フリンとともに、フォックスもバンドのメンバーと判明してしまった。

Translated by Miki Nakayama

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