エルトン・ジョン「アメリカの将来を憂いている」

毎年恒例のエルトン・ジョン・エイズ基金のガラ・コンサートに出演するエルトン・ジョン(Photo by Theo Wargo/Getty Images)

中間選挙の前日、エルトン・ジョンは毎年恒例のエルトン・ジョン・エイズ基金の秋のガラ・コンサートを主催した。そこで、彼はアレサ・フランクリンの思い出を語り、アメリカの将来に対する懸念を述べた。

「この国の将来を憂いている」とジョンは言い、1970年代にイギリスからアメリカに引っ越したこと、アメリカ到着時に受けた信じ難い愛情と支援について語った。そして、あの頃と同じような優しさを発揮して、もっと人との交流を増やして、何よりも互いをリスペクトし合おうと、人々に訴えたのである。

「他者を尊敬できないと、相手は仲間外れにされた気分になり、怒り、激しく突っかかってくる」とジョン。「そういう傾向をこの国で感じている。遅かれ早かれ、リスペクトされないことにうんざりした人々が他人を攻撃するようになるだろう。そんなことは起きてほしくないと願っている」と。

また、ジョンはマンハッタンのセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂で行われた去年のガラについても話をした。これはアレサ・フランクリンの最後のパフォーマンスが行われたコンサートだった。ジョンはロザンヌ・キャッシュと共にフランクリンの思い出話を始め、彼らは二人とも涙を流していたと言った。「あれほどの素晴らしさを目にすることはそうそうないし、あの姿を今後見ることは決してない」と、ジョンが述べた。

そして、ジョンはフランクリンが本調子ではないことに気づいたと言い、こう続けた。「正直に言うと、あの日の彼女のあの体調で本当にパフォーマンスできるのか確信を持てなかった。しかし、彼女はやりきった。最高のパフォーマンスを見せた。あれは大聖堂の中で行ったことが何らかの影響を与えたと私は思っている。彼女は教会に通っていたから、もともと居た場所に彼女が戻ってきたと言える。そしてものすごいパワーで歌い、演奏し、我々全員を涙させた。一生に一度のパフォーマンスを見せてくれたんだ」

エルトン・ジョン・エイズ基金は390万ドル(約4億4100万円)の寄付金を集め、HIV/AIDSを無くそうと活動している様々な団体、特に話題として取り上げられることの少ないコミュニティで活動している団体で使われることになる。基金の一部はオークションによって集められた。落札額は、トニー・ベネットのオリジナル絵画が20万ドル(約2260万円)、フランクリンの最後のパフォーマンス写真が10万ドル(約1130万円)だった。ガラ・コンサートのトリを務めたのがシェリル・クロウで、「イフ・イット・メイクス・ユー・ハッピー」や「エヴリデイ・イズ・ア・ワインディング・ロード」などのヒット曲を約45分間演奏した。



Translated by Miki Nakayama

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