サンダース上院議員が語る新民主党とトランプ主義

上院での同僚、セッションズ氏の更迭について

ー先ほどセッションズ司法長官の更迭について言及されました。上院で彼に仕えていたご自身として、司法長官を務めたセッションズ氏が残したもの、あるいはこの更迭が何を意味するかを教えてください。

繰り返しになりますが、トランプ大統領はメディアを操る方法を心得ているのはたしかですね。セッションズを昨日でも、翌日でもなく、今日クビにしたのは決して偶然ではありません。火曜日の夜の出来事からメディアの注意をそらしたかったのです。セッションズは大統領の指示に従いました。彼の指示のもとに刑事司法を執行しました。ひどいことです。移民政策だってそうです。これもひどい。様々な領域でトランプに従いました。当然ながら、大統領がセッションズに対して抱いた憤りは、大統領選へのロシア介入疑惑をめぐる捜査を主導するモラー特別検察官の件から身を引いたことに起因しています。でもそれは正しい判断です。それでも、大統領は決してセッションズを許さなかった。今ここでもっとも重要なのは、トランプがムラー特別検察官の捜査を妨げようとするかどうかです。そんなことがあってはいけません。この捜査を守るための法律を通さなければいけません。それでもトランプが妨害しようとするなら、それは司法妨害であり、弾劾されるべき罪です。この捜査が必ず前進するよう、私たちは全力で取り組まなければいけません。

ー下院のリーダーシップについて何か考えはありますか?

それは下院の議員が決めることです。私はもう下院の一員ではありませんから。彼らに決断を任せましょう。心の底から願っているのは、連邦議会の初日から下院の民主党議員は働く人々のニーズに応えられるような進歩主義的な政策を提示しなければいけない、ということです。こうしたものはすべて、私が紹介し、ここから4年かけて施行される全国民対象のメディケア制度が行う、65歳から55歳への適応年齢の引き下げ、すべての子どもに対する適応範囲の拡大、処方薬の値下げへとつながります。アメリカ国民の80パーセントがこうした政策を支持してくれるでしょう。たいへん人気のある政策です。民主党はこれを実現しなければいけません。最低賃金を時給15ドルに引き上げ、公立大学の学費を無償にし、学生ローンを軽減しなければいけません。こうした政策は大いに受け入れられるでしょう。それに、優れた公共政策でもあります。世界中の誰一人としてこんなことを思っていないかもしれませんが、これが私の考えです。ご存知の通り、トランプは政界きっての日和見主義者で、選挙に勝つこと以外に政治的な見解など持っていません。

ーおっしゃる通りですね。

トランプは、今日は人種差別主義者で性差別主義者かもしれませんが、あと5票増やせるとなれば、明日には偉大な公民権チャンピオンにだってなるかもしれません。核となる信念を持っていないのです。民主党が世間から支持される優れた政策を実現したとしても、トランプは周りを見渡して「まあ、いいんじゃない? 私の知ったことではない」と言っても驚きません。トランプは最終的に勝つこと以外念頭にありませんから、いっそ参加するかもしれませんね。だからこそ、トランプや共和党が守りに入るような、本当に優れた政策の実現に民主党が全力投球することが非常に大切だと思います。

進歩主義的な政策を打ち出すことが大切

ー現時点では、下院の民主党の注目はトランプ大統領の調査に集まっていると私は理解しています。監査委員会は64件の召喚状を取り下げています。それに——

それは間違っています。

ーどういうことでしょう?

よく聞いてください。人間は2つのことを同時にできます。民主党だってそうです。トランプの調査だけに固執するのであれば、それは私からすれば、極めて重大な過ちです。ようやくトランプの行動の過失を明るみに出せるときがきました。だからこそ、こうした調査は極めて妥当だと思います。しかし、時給11ドルで働く人はトランプの調査のことなんてどうだっていいのです。ヘルスケアに入れない人や、処方薬が買えない人は調査に興味なんて持っていません。子どもを大学に通わせることができない人もそうです。だから、民主党の全議員がトランプ調査に集中することは嘆かわしい過ちだと思います。それよりも、アメリカ国民の支持を勝ち取ることができる、進歩主義的な政策を打ち出さないといけません。

ーその理由は?

二者択一ではないからです。調査や監査委員会はとても重要です。でも、働く人のための政策を打ち出すことも大切です。

ー2020年の大統領選に向けての戦いがはじまるまでに、民主党はそこからはじめなければいけないということですね?

初日から取り組まなければいけません。今からはじめればいいのです。私も力になります。何が何でも連邦議会の初日から取り組む必要があります。

Translated by Shoko Natori

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE