追悼スタン・リー:2014年インタビュー再録「アイデアがひらめいたら、少し時間を置くようにしている」

2013年7月19日、米カリフォルニア州サンディエゴで撮影されたスタン・リー(Photo by Michael Buckner/Getty Images for Samsung)


ー1999年になってようやく、あなたは映画館でマーベル・ヒーローたちが映画で活躍するのをご覧になりました。

その頃は、今みたいな特殊効果がなかったからね。スパイダーマンをテレビシリーズ化しようという話があったけど、特殊効果がないから、かっこよく壁を登れなかったのを覚えている。

ーようやく映画を観た感想は?

最高だよ! 最高の映画だ。スクリーンでヒーローたちを観るのはすばらしかった。とても見事に実現してくれたよ。本当に、あの映画はすばらしかったね。

ー映画を観ると、他の作品もある程度は同じレベルで製作されるだろう、という予想はつきましたか?

もちろん、当然だよ。

ーどの作品が人気だったか覚えていない、とおっしゃっていましたが、1960年代のお気に入りは『ファンタスティック・フォー』と『スパイダーマン』だったのではないでしょうか?

みんな私のお気に入りだよ。原稿執筆には丸1日かけていた。だから、たとえばひと月のうちに、6から7冊のコミックがあれば、6から7日は働く。『ドクター・ストレンジ』や他の作品もあった。残りの時間はオフィスでアートワークを見直したり、必要に応じて編集したり。作品に優先順位なんてなかった。だってどれも私の使命だったから。それに、どれもマーベルの作品だ。どの作品も売れるようベストを尽くすのが私の務めなんだ

それに、他のキャラクターと被らない、新しい物語を毎回作るのには本当に骨が折れた。他の作品と似過ぎていないものを考えないといけないんだから。そこが一番大変だった。物語を考えること自体は決して難しくないのに。アイディアがひらめくと、少し時間を置くんだ。その視点はもう『デアデビル』で使ったなとか、似たようなものを『ファンタスティック・フォー』でもやったな、と気付く。他のコミックとはまったく異なるアイディアでなければいけない、という問題がいつも付いて回っていた。

ーX-MENが嫌われ、恐れられる存在であるというアイディアはスティーヴ・ディッコの『スパイダーマン』にもある意味引き継がれていますね。

たしかに、ある意味ではそうだね。スパイダーマンもそういう存在だ。それがスパイダーマンのスクリプトの主なテーマというわけではないけど。X-MENにおいてはこうした要素が強いんだ。

ースパイダーマンがティーンエイジャーという設定が人々にウケたから、X-MENもそれにならったのですか?

なぜティーネイジャーにしたかを思い出そうとしているんだ……でも思い出せない。いや、スパイダーマンの人気を受けてそうしたわけではない。当時はファンタスティック・フォーもそうだった。ハルクもね。単純に、キャラクターたちが学校に通って、そこのトップがプロフェッサーXというアイディアが好きだったんだ。

ー誰かがボブ・ディランに1960年代に短期間であれほどの作品をどのようにして作曲したのですか? と尋ねたそうですが、ディラン自身も振り返ってみるとどうやっていたのかをよく覚えていないそうです。ご自身にもあてはまりますか?

いや、私はどうやっていたかを覚えているよ。あまり苦労しなかったから、私は本当に幸運だったんだ。悪役を決めて、主人公を作り上げると(幸いなことに、これは1回限りのことだからね)、物語を作るのにはそれほど時間はかからなかった。たいていは1日もあれば十分だった。朝起きてから妻とおしゃべりをして、新聞を読む。そこから執筆をはじめて、夕飯の時間には終了、1冊完成、という具合だよ。

ー企画ごとに『X-MEN』用の草稿を次から次へと執筆する、という状況だったのでしょうか?

いいや、草稿なんて書いたことない。私が書いたものが物語になったんだ。編集が必要なら、絵が描かれてから編集すればいいだけのこと。なぜなら、絵が描かれると、私の手元にアートワークと文字が配置されたボードが渡されるから、それを最終確認する。気に入らない吹き出しがあったり、想像とは違う絵があったりすれば、この段階で修正するんだ。

だから、私にとっては二段階なんだ。まずは物語の執筆、あるいは筋書きを作成し、アーティストに物語を肉付けしてもらう。絵が完成すれば、リーディングと必要に応じた編集をする。私は編集者でもあったからね。

ースパイダーマンの新作映画が公開されますね。X-MENの新作映画と同じ時期に公開されるとうかがっています。

そうなんだ、とんでもない状況だよ。今までこんなことはなかったからね。一つの泉から生まれたキャラクターたちが同時期に映画になるなんて。それぞれの作品はすばらしい出来だよ。
優れた監督、俳優、プロデューサーたちに囲まれて本当に幸せだ。そのおかげで、映画とあまり関わりのない私のような人間までもが認めてもらえる。うれしい限りだ。そろそろ行かないと。楽しかったよ。最高の記事になることを祈ってる。

Translated by Shoko Natori

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE