ジョン・レノン殺害犯、ようやく後悔の念を認める

1980年、マーク・デイヴィッド・チャップマンに銃殺されたジョン・レノン(Photo by David Redfern/Redferns)

ジョン・レノン殺害犯であるマーク・デイヴィッド・チャップマンによる10回目の仮釈放申請が却下された。チャップマンは、ようやくレノン殺害を深く恥じていることを認めた。

1980年にジョン・レノンを銃殺したマーク・デイヴィッド・チャップマンは、仮釈放審査会でついに、自分の犯した罪に対する後悔を口にした。「30年前は恥じているなどと言えなかったが、今は後悔の念が何たるかを理解できる」と、2018年8月に行われた聴聞会で述べた。「恥ずかしさで顔を覆い、こちらからは何も要求できない」と彼は続けた。AP通信によると、年を追うごとに彼は「後悔の念を強くしている」という。

聴聞会は2018年夏、ニューヨーク州オールデンのウェンデ矯正施設で行われ、11月15日になって記録が公開された。仮釈放は「犯罪の深刻さを軽視する」可能性があり、復讐のためにチャップマンが公共の場で襲撃される危険性もあるとして、審査会は彼の釈放を認めなかった。懲役20年から無期の刑を受けた彼の仮釈放申請が却下されたのは、これで10度目になる。次回申請が認められるのは、2020年8月だ。

2018年の聴聞会でチャップマンは、1980年12月8日の出来事を詳細に語った。彼はレノンの自宅前でサインをもらい、その数時間後に銃を向けた。自分に良くしてくれたレノンを殺害すべきか思い留まるべきか葛藤があったことを、彼は聴聞会で明らかにした。「私は度を越していた」とチャップマンは述べた。「“おい、お前はアルバムを手にしているだろう。よく見ろ。彼はサインしてくれた。そのまま家に帰れ”という頭の中の声をはっきりと覚えている。でも、ただ家へ帰ろうという選択肢はなかった」。

チャップマンは今回、レノン殺害を“非常識だった”と表現し、ただ犯罪によって世間に名を残したいと思っていたことを明かした。さらに、レノンには何の個人的な恨みも抱いていなかったと述べた。しかしAP通信が伝えているように、彼は通常の銃弾よりも殺傷能力の高いホローポイント弾を使用した。「彼が確実に死ぬように、弾丸の種類を選択した」と彼は証言している。「犯行直後、私は彼が苦しまなかったかどうかを心配した」。

最近チャップマンは、キリスト教信仰を新たにしたと主張している。収監中の彼には、清掃、塗装、床のワックス除去等が課されている。彼は最近、自分の怒りに任せた行為は“自分の死後も”続いていくことを認識している、と語っている。

チャップマンの仮釈放申請が前回却下されたのは2016年で、却下の理由は今回とほぼ同じものだった。「聴聞内容と記録を検討した結果、釈放は社会福祉に反し、犯罪の深刻さを軽視することで法の尊重をないがしろにする恐れがある」

Translated by Smokva Tokyo

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