多彩な顔を持つ中川翔子が「歌」や「アニソン」を大切にする理由

約3年半ぶりのシングル「blue moon」をリリースした中川翔子

中川翔子が、約3年半ぶりとなるニューシングル「blue moon」をリリース。MBS/TBS系列アニメ『ゾイドワイルド』のエンディング・テーマにも起用された本作は、大切な人との絆、そして「つながり」の尊さを歌ったハートウォーミングな楽曲。幅広いフィールドで活躍し、出会いや別れも経て成長した彼女の、真っ直ぐな気持ちが詰まった歌詞になっている。作品について、そして彼女にとっての音楽という存在について話を聞いた。

―クリエイターさんとのお仕事だったり、絵を描いたり、自分の内面と向き合うことが多いと思うんですけど、ステージに立って目の前にいるオーディエンスとコミュニケーションを取るというのは、中川さんにとってどんな体験ですか?

中川:クリエイターの方にお話を聞く時間もそうなんですけど、読書とかバラエティのお仕事だったりラジオの時間だったり、どの瞬間も全部ライブのために大きな意味があると思っていて。歌と絵はずっと続けていきたいという目標があります。秋のワンマンライヴが2015年以来だったからすごく久しぶりでうれしくて、言いたいことや歌いたいことが溢れてしまって、それを程よい感じに収めるのが難しかったんですけど、歌うことがあらためて大好きだと実感できたライヴになりました。

30代に入って、舞台とかドラマとか今までやらなかったことも挑戦するようになって、いろんな人と一緒にゴールに向かって頑張るということを近年やらせていただく中で、歌から離れて活動をすることはすごく怖いし難しいなと思っていました。でも、歌がなかったらできていないこととか、人との出会いもそうですけど、海外で歌う経験も、2020年東京オリンピック・パラリンピックのマスコット審査会の会議に参加したりもして、いろんなことを欲張りたいなって思うようになってきました。30代に入ると仕事が20代までとは違って、いろんなことができて当たり前って見られるから、(やることを)絞るかもっていう話し合いもあったんですけど、やっぱりそれはできないなと思います。

―でも絞らなくて正解でしたね。

中川:単独名義でのリリースは約3年半ぶりなので、リリース・イベントで全国をまわっているんですけど、イベントで行ったことのない場所、佐賀県とか兵庫県とか誰もいなかったらどうしようって考えてしまってたのですが、地元に来てくれてありがとうとか、子どもができてなかなか行けなくなったけど、親戚を皆連れてきたよとか、初めて来ましたとか。コンサートってどうしても東京中心になってしまうから、いろんな場所で歌を聴いてもらえることがどんな形でもすごくうれしくて、自分の好きなことを守るために、どの瞬間も全力で頑張りたいなと思っています。

楽しむ方向に変えるっていうことを、大人になってちょっとできるようになってきたのかなと。昔は、好きなことと興味のないことで境界線を引いていたのが、舞台も最初は苦手意識があって稽古も大変だったけど、本番でお客さんに観ていただいたり拍手をいただけることが本当に尊くて。結局、歌やコンサートにつながると思うと、本当に盛大な結果オーライというか。

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