死亡者も…同性愛者の間でトレンドになっている「パンピング」の危険性

2017年11月に死亡したピーター・ドヴァック

ロブ・ウォルトマンはパートナーのピーター・ドヴァックに現在の外見で申し分ないと何度も伝えた。容姿を変える必要はないと。

「ピーターは自分の身体を醜いと思い込む精神障害を患っていて、僕の知り合いの中でも一番重症だった」と、ウォルトマンがローリングストーン誌に語った。「長年、彼がシリコン注入をしたがるたびに阻止したのが僕だった。彼はメキシコで施術したがった。というのも、自分でシリコンを注入できるほどの度胸はなかったし、彼自身、自分でするつもりは一切なかったと思う」と。

しかし結局、ウォルトマンは白旗をあげ、2017年初頭にドヴァックはカリフォルニアに行き、最初のシリコン注入を受けた。そして同年11月、ドヴァックは他界した。

4年前、全米整形外医師協会(American Society of Plastic Surgeons)はトランスジェンダー・コミュニティで広がり始めた憂慮すべきトレンドを確認した。そのトレンドとは、身体に丸みをつけるために体内に非合法なシリコンを注入するというものだった。

通称「パンピング」と呼ばれるのだが、これがゲイ男性の陰茎のサイズアップに使用され始めたことにより(使用した人は「ゲイナー」と呼ばれる)、危険なトレンドと懸念されるようになった。違法な施術を受ける場合、注入されるシリコンが不純物である危険性が高い。ここ1年間でドヴァックを含むネット上で有名だったゲイナー2人が死亡したことを受けて、ゲイ・コミュニティはこの施術の実態を明らかにしようと人々に呼びかけている。

Translated by Miki Nakayama

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