のちにイベントの模様がビデオ作品としてのリリースされたことも話題になったが、それ以外にこのイベント最大の驚きは、ジョージ・マイケルが披露した楽曲が、このベントの1年後にリリースされたEP『ファイヴ・ライヴ〜愛にすべてを』に収録されたことだった。収録されたのは、ソロで歌った「愛にすべてを/Somebody to Love」とリサ・スタンスフィールドとのデュエット「輝ける日々/There Are the Days of Our Lives」。そしてこのEPの売上はすべて、マーキュリーの名前を冠して設立されたAIDS撲滅を目指す慈善団体マーキュリー・フェニックス・トラストに贈られ、イギリスでナンバーワンヒットとなり、ゴールドディクスにも輝いた。アメリカのビルボード200では46位止まりだったが、EP収録曲はMTVで繰り返し放映された。
このイベントのステージでマイケルが観衆に語った「AIDS患者は全員がゲイやヤク中だと考えているなら、将来的に君もAIDS患者の仲間入りする可能性がある」という発言は、その後のAIDSの実態を予見したものだったが、このイベントのMCでAIDSに関する発言をした者は少なかった。当時、ロジャー・テイラーがローリングストーン誌に「フレディが生きていたら、絶対に望んだのがこれだ。『みんな、四の五の言わずに楽しんでくれ』ってね」と語っていた。
ここからイベントのハイライトをご覧いただきたい。
クイーンとジェイムズ・ヘットフィールド、トニー・アイオミ「ストーン・コールド・クレイジー/Stone Cold Crazy」
クイーンとエルトン・ジョンとアクセル・ローズ「ボヘミアン・ラプソディ/Bohemian Rhapsody」
クイーンとジョージ・マイケル「愛にすべてを/Somebody To Love」
クイーンとロバート・プラント「愛という名の欲望/Crazy Little Thing Called Love」