フレディ・マーキュリー追悼ライブを回想、ボウイ、メタリカ、アクセル・ローズ等が集結

1992年4月20日、英ウェンブリー・スタジアムで開催された、フレディ・マーキュリー追悼コンサートに出演したエルトン・ジョン(左)とアクセル・ローズ(右)(Photo by Michael Putland/Getty Images)

AIDSによる合併症で死亡したフレディ・マーキュリーを偲び、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン、アクセル・ローズ、ロバート・プラント、U2など、当時のスーパースターたちが集結した追悼コンサートを振り返る。AIDSへの理解を促す初の大規模ロックイベントだった。

フレディ・マーキュリーがAIDS発症に伴う合併症の一つである気管支肺炎で他界してから半年も経たずに、クイーンのギタリストのブライアン・メイが言うところの「史上最大のお見送り」であるスパースター大集合の巨大イベントが、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催された。このコンサートでは、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン、アニー・レノックス、ジョージ・マイケル、ロジャー・ダルトリー、ロバート・プラントなど、錚々たるアーティストがクイーンをバックにパフォーマンスし、メタリカ、ガンズ・アンド・ローゼス、U2、そしてスパイナル・タップまでもが、それぞれのバンドでの短いセットを披露した。そしてこの日、1992年4月20日に、72,000人のクイーンファンが集まった会場で、4時間に渡るフレディの人生を祝う華やかな祭典が執り行われたのである。

このイベントの公式名称「ザ・フレディ・マーキュリー・トリビュート・コンサート・フォー・AIDS・アウェアネス」では、ハイライトの一つが「アンダー・プレッシャー/Under Pressure」だ。これは1981年にデヴィッド・ボウイとクイーンが行ったデュエット曲である。マーキュリーの代役を務めたのがアニー・レノックスで、金線細工のような繊細な歌声で、ボウイの力強い主旋律への対位旋律を見事に歌い上げた。両目をアライグマのように黒く塗りつぶし、発狂したブラックスワンのような出で立ちでステージに登場し、劇を演じる役者のように少しずつボウイに近づき、最後のハーモニーでセンチメンタルな抱擁を交わす。会場の観衆から割れんばかりの拍手と声援が飛び交った瞬間だった。



普段着で行われたこの二人とバンドのリハーサルの模様が公開されており、3:00あたりでリハーサルを見守る関係者の中のジョージ・マイケルが一緒に歌っている姿が映し出されている

マーキュリーの追悼のためにトップクラスのアーティストやバンドが集結したことに加えて、このコンサートはAIDSに対する認識と理解を促すためにビッグネームたちが集まった最初のイベントという点でも特筆すべきものだ。さらに、ハードロック界、ヘヴィメタル界からも、デフ・レパード、エクストリーム、メタリカ、ガンズ・アンド・ローゼスなどが参加していることも注目に値する。ジェイムズ・ヘットフィールドはクイーンの3人とブラック・サバスのギタリスト、トニー・アイオミをバックにスラッシュ版「ストーン・コールド・クレイジー/Stone Cold Crazy」を歌い上げ、同性愛嫌悪を露わにした言葉遣いでAIDS活動団体ACT UPから出演に異議を唱えられていたアクセル・ローズは、「ウイ・ウィル・ロック・ユー/We Will Rock You」を歌い、エルトン・ジョンと「ボヘミアン・ラプソディ/Bohemian Rhapsody」をデュエットした。

Translated by Miki Nakayama

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