ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ワーストムービー」トップ10

3位『Life Itself(原題)』


冒頭からラストまでダメな映画なんてあるだろうか? それが可能なことを証明したのが、このとことんすましたメロドラマ。監督は、『This Is Us 36歳、これから』を世に送り出したダン・フォーゲルマン。『Life Itself』は、しいていうなら死刑宣告だ――センチメンタル度が徐々に上がっていく5部構成だが、最後まで見終わった観客はおセンチの毒にやらされてしまう。悲恋の物語から始まるこの作品の中でいまだにわからないのは、オスカー・アイザック、オリヴィア・ワイルド、アネット・ベニング、アントニオ・バンデラス、マンディ・パティンキンといった豪華キャストたちが、誰にどう言いくるめられてこんなつまらない作品に出演するはめになったのか、ということ。ただちにエージェントを首にするべきだ。
※日本公開は未定

2位『ゴッティ』


映画評論サイトRotten Tomatoesでの評価は、満足度ゼロ。それでも、「テフロン・ドン(無傷のドン)」と呼ばれたギャングを描いたジョン・トラボルタの生涯最大の失敗作に対する評価としては、生ぬるいほうだろう。ジョン・ゴティの犯罪歴をまともに映画化するのが難しいからではなく――単純に、この作品は100%、まともな映画ではないからだ。トラボルタと彼の妻ケリー・プレストン(ゴッティの妻、ヴィクトリア役)は、つじつまの合わない脚本や、『アントラージ』の俳優ケヴィン・コノリーの監督としての方向性のなさをカバーしようとするあまり、オーバーな演技になってしまった。批評家や観客がこの映画にパンチを食らわせたのももっともだ。
※日本公開は未定

1位『The Happytime Murders(原題)』


メリッサ・マッカーシーとヘンソン一家のマペットが下ネタをかわす、面白くもなんともない史上最低のドタバタ劇。墓の中の父親ジム・ヘンソンもびっくり仰天だ。マッカーシーのために言っておくと、今年『Can You Ever Forgive Me?(原題)』で女流作家を演じた彼女は、自己ベストの演技だった。だがかわいそうに、こちらの映画の役どころはシリアルキラーを追うLA警察官。しかも、1980年代の子ども番組『The Happytime Gang』の人形を相手にだ。タイトル通りhappy timeを過ごせたらいいのだが、このコメディ映画はR指定のわりにはちっとも笑えないし、いいところもひとつもない。あまりのお粗末さゆえに、早くも「今世紀最大の駄作」という称号を与えてもいいだろう。この度はおめでとうございます。
※日本公開は未定






Translated by Akiko Kato

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