ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・メタル・アルバム」トップ20

ジューダス・プリースト、ドーターズ、スリープなどの最新作がランクイン。



3位 ジューダス・プリースト『ファイアーパワー』

ジューダス・プリーストは2018年のメタル界で、最も関心を惹くカムバックをしたと言えるかもしれない。それは単純に彼らがどこにも行っていなかったからだ。彼らには60年代後半からずっと音楽的な浮き沈みがあり、18枚目のアルバム『ファイアーパワー』がこんなにもフレッシュでスリリングなものになるとは誰も予想しなかった。結成時のギタリスト、K.K.ダウニングは2011年に脱退し、彼の支え役だったグレン・ティプトンはこのアルバムで素晴らしいプレイをしたが、パーキンソン病を理由にツアーには参加しないことを発表した。それにもかかわらず『ファイアーパワー』でのジューダス・プリーストは留まることを知らなかった。フロントマンのロブ・ハルフォードは2014年の前作『リディーマー・オブ・ソウルズ』の時よりも楽しそうに亡霊や魔術師や戦争の焼け跡の物語を歌い、バンドは血に飢えたようなプレイを終始し続け、1990年の破壊的な作品『ペインキラー』や1978年の『ステンド・クラス』におけるメロディを想起させる。「フレイム・スロワー」と「ファイアーパワー」、「ネヴァー・ザ・ヒーローズ」はどれも古き良きプリーストのように復讐の叫び声を上げているが、同時に分厚くモダンなサウンドになっていて、50年目に突入しているバンドの作品とは思えない。



2位 ドーターズ『ユー・ウォント・ゲット・ホワット・ユー・ウォント』

ドーターズが『カナダ・ソングス』で爆発的なグラインドコアとして初めて世に出てから20年近く経ち、再結成して作ったLP『ユー・ウォーント・ゲット・ワット・ユー・ウォント』には、バンドのさらにダークな面が収められている。フロントマンのアレクシス・マーシャルが幻滅と不安のうめき声を上げる中、全曲ノイズと独特なリズムを味わいながらゆっくりと高まっていく。哀歌的な「ロング・ロード・ノー・ターンズ」やスローな『ザ・リーズン・ゼイ・ヘイト・ミー』では、神経が昂ぶるようなブレイクダウンが入っていたりして、まるでジーザス・リザードとザ・バースデイ・パーティの独特なコンビネーションのようだが、そこまでヘヴィなわけでもない。わかりやすいメタル的要素からは距離を置いたのかもしれないが、アルバムの至るところに彼らの過去がわずかに見て取れる危なさが現れている。



1位 スリープ『ザ・サイエンシズ』

スリープの最後のアルバム、一枚岩的な長編曲『ドープスモーカー』からの約20年で、彼らはアンダーグラウンドのヒーローからストーナー・メタルのレジェンドとなった。4月20日に『ザ・サイエンシズ』がリリースされた時、そのサウンドの素晴らしさはとにかく嬉しい衝撃だった。「ザ・サイエンシズ」では3分に及ぶヘヴィなフィードバック・リフの後、ポパイがほうれん草を飲み込むようにベース/ヴォーカルのアル・シスネロスが水パイプを吸う音が聞こえる。そして3人は「マリファノーツ・テーマ」のどっしりとしたスローなリズムを演奏し始める。アルバムの収録曲すべてがブラック・サバスのトニー・アイオミを奉っており(サバスのメンバー名をもじった「ギザ・バトラー」で引用している)、時間がただの構成概念でしかないメタルヘッドのダークな世界へといざなう。ハイ・オン・ファイアでも素晴らしいアルバムを今年発表したギタリストのマット・パイクは、ワウペダルで抑揚をつけて計算されたソロを弾き、ドラマーのジェイソン・ローダーが全体をまとめ、シスネロスがぼんやりとキマりながら空想を単調に歌う。ムードが大事なんだ。質問はしないでほしい。

Translated by Takayuki Matsumoto

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