ローリングストーン誌が選ぶ「2018年再発盤」ベスト10

5:ボビー・ジェントリー 『The Girl From Chickasaw County: The Complete Capitol Masters』
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ミシシッピー州生まれのシンガーソングライターによる1967年のメジャー・デヴュー曲『ビリー・ジョーの唄』は、自宅デモのようなリラックス感と『ペット・サウンズ』のような光を放つ米国南部特有のノリの曲で、カントリー・ミュージックのランドマークとなった。彼女のセカンド・アルバム『The Delta Sweete』(1968年)は初のカントリー・ロック・オペラで、ラヴのアルバム『フォーエヴァー・チェンジズ』のようなミステリアスな豪華さに包まれた、農村生活の出来事を表現している。以降、彼女の作品はカントリー・ポップが中心になっていく。しかし高い望みを持ち続けたジェントリーは、キャピトル・レコード最後のアルバム『Patchwork』(1971年)で、ハリー・ニルソンやランディ・ニューマンを目指した。オルタナティヴ・カントリー初の女性シンガーソングライターを称える本ボックスセットには、5年の間に彼女がレコーディングした全ての作品が収められている。
6:ボブ・シーガー 『Heavy Music: The Cameo Recordings 1966–1967』
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60年代後半、後にハートランド・ロックの雄ブルース・スプリングスティーンの名声に並ぶこととなるシーガーは、デトロイトのジャガー=リチャーズとして、ローリング・ストーンズ・スタイルのR&Bに、モータウン・スタイルのソングライティング方法と、中西部のファクトリーライフ・スタイルを融合させ、荒削りのスリリングなオリジナル曲『East Side Story』や『Heavy Music』を地元でヒットさせていた。半世紀に渡るキャリアにおいて、ジェームス・ブラウンやボブ・ディラン・スタイルの楽曲を含むティーン・ビート時代の10枚のシングルA面とB面曲が、今なお彼のグレイテスト・ヒッツに入っている。
7:リズ・フェア 『Girly Sound to Guyville』
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1993年にリリースされた、LP2枚分の長さを持つリズ・フェアの『Exile in Guyville』は、男性優位のアンダーグラウンドにおける快楽やかかわり合いの危険を描いている。同デヴュー・アルバムは、自宅で録音したデモから1991年にリリースした一連のカセットテープが基になっている。本リリースは、フェアの『Girly-Sound』テープの完全版から始まり、『Fuck and Run』や『Johnny Sunshine』等の実体験的な曲を含む彼女の完全マップになっている。25年経った今、フェアのブルーズと怒りが再び世に出されるにはパーフェクトなタイミングといえる。

Translation by Smokva Tokyo

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