ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・ソング」トップ50

12位 テイラー・スウィフト「デリケート」

テイラーは、昨夜の甘い誘いの電話を、狂おしいシンセポップへと変える。聞けば聞くほど胸に染み入るタイプの傑作だ。この1年、近所のデリに行くたび、タクシーに乗るたび、ピザ屋に行くたびに、彼女のピロートークの問いを耳にしなかったことはなかった。「全部ぶちまけちゃってもいいかな? あなたのことが頭から離れないの」と、サビに向かってジワジワ盛り上げ、最後に彼女は仮面を脱ぎ、胸の内をさらけ出す。曲の後半は、彼女をなだめるのに精いっぱいだ。テイラーの美学の全てを凝縮した、完璧な1曲。

11位 Nio García、Casper Mágico、Darell, Bad Bunny、Ozuna、ニッキー・ジャム「Te Boté(リミックス)」

Nio García、Casper Mágico、DarellのプエルトリコMC衆による、飾り気のない別れの歌「Te Bote」(直訳すれば「俺がお前を捨てたのさ」)が、地元のラジオ局を独占した。7分にわたるレゲトン作品が国際的なスマッシュヒットとなったのは、Ozuma、Bad Bunny、ニッキー・ジャムらラテンポップのヘビー級王者をフィーチャリングしたリミックスのおかげ。都会派プレイボーイたちは代わる代わる、別れた恋人への恨みつらみを吐き出す(ついでに、新しい出会いがあったことも自慢する)。もっともイカした歌詞は、Bunnyが歌う箇所。「ベイビー、人生にはサイクルってのがあるんだ。上手くいかないなら、リサイクルするまでさ」

10位 トラヴィス・スコット「シッコー・モード」

トラヴィス・スコットが誘う、『アストロワールド』の脳内テーマパークへようこそ。ドレイクのカメオ出演もあるよ!――いかにもエキセントリックなこの曲は、ビートを次々変化させながら、ヒューストン出身のMCがリフを繰り出し、映画『Clueless』やJamba Juice、ノトーリアスB.I.G.、ボナルーフェスティバル、2ライブ・クルーについて言及する。パズルのピースをひとつにまとめ上げているのは、スコットの声――曲の中でもこう言っている。「誰がこんなのをくっつけたんだ?俺は接着剤かよ」

Translated by Akiko Kato

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