ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・ソング」トップ50

9位 ジャネール・モネイ「メイク・ミー・フィール」

大勢のアーティストが、影響を受けた存在としてプリンスの名をあげる。だが誰一人として、彼の紫色の輝きを正しくとらえきれていない。ジャネール・モネイを除いては。史上もっともセクシーなこの曲からは、電撃的なエネルギーがほとばしる。彼女があまりにも完璧で魅力的なので、「他の人じゃだめなの」という使い古されたフレーズさえも、まるで初めて聞いた時のように刺激的に響く。ゴージャスな愛の申し子ソング「Kiss」やクラフトワークを彷彿とさせつつも、モネイが本領を発揮し、独自の世界観をはっきり主張する場面もある。過去も未来も忘れてちょうだい。これぞ、今この瞬間を生きるポップの王道。

8位 ポール・マッカートニー「カム・オン・トゥ・ミー」

ヒットメーカー、グレック・カースティンと共同プロデュースした、ウィングス時代を彷彿とさせるリズミカルなロックソングは、アビーロード・スタジオで編集された。猛々しいブラスセクション、力強いピアノ、そして「ヘルター・スケルター」級のギターの雄たけび。紳士なポール様らしくメインパートとコーラスパートを一貫させ、極めつけのドライブソングが完成した。この曲が素晴らしいのは彼がレジェンドだからではなく、彼が現役のミュージシャンで、どうすれば他の誰よりもいいポップソングが書けるのか、誰よりも知り尽くしているからだ。

7位 コートニー・バーネット「Charity」

オーストラリアのインディーズシーンから飛び出して、国際的なロックンロールスターの仲間入りを果たしたコートニー・バーネットは、慌てずのんびり構えて、世間を達観しようと決め込んだようだ。「瞑想してもよけいに疲弊するだけ」と物憂げに歌う「Charity」は、セカンドアルバム『Tell Me How You Really Feel』からのヒット曲。彼女は焦って誰かの後釜に座ろうなどと考えていない。だが、キレのいいギターリフをかき鳴らし、鼻で笑ってこう言う。「あんた、相当気に入ったみたいね」

Translated by Akiko Kato

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