2019年ゴールデングローブ賞、『ボヘミアン・ラプソディー』『グリーン・ブック』が大勝

フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが主演男優賞を受賞。クイーンのメンバーのブライアン・メイ(左)とロジャー・テイラー(右)(Photo by Kevin Winter/Getty Images)

2019年ゴールデングローブ賞は、『グリーン・ブック』『ボヘミアン・ラプソディー』『ジ・アメリカンズ』の勝利となった。TVドラマ部門では『ジ・アメリカンズ』『コミンスキー・メソッド』が最多受賞、『アリー/スター誕生』はふるわず。

最多受賞作は『グリーン・ブック』。といっても、映画ミュージカル・コメディ映画部門作品賞、脚本賞、マハーシャラ・アリの助演男優賞の合計3部門。批評家の間では賛否両論、興行収入も伸び悩んでいたことを考えれば、受賞しただけでも御の字だったろう。

一方『ボヘミアン・ラプソディー』は授賞式終盤に大番狂わせを演じた。クイーンの生涯を描いたこの作品は、ドラマ映画部門作品賞を受賞。その直前には、フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが主演男優賞のトロフィーを手にした。

おそらく今年のゴールデングローブ賞では、最多受賞者よりもダントツ敗者のほうが注目を集めた。大方の予想とは裏腹に、『アリー/スター誕生』は主要部門で無冠に終わった。ただ、当然ながら同作の主題歌「シャロウ」は最優秀楽曲賞を受賞した。

また2019年ゴールデングローブ賞では、究極のダークホース『ROMA/ローマ』が頭角を現した。ハリウッド海外記者協会の規則により海外の映画作品は作品賞から除外されるため、この作品は作品賞争いに加わることはなかったものの、70年代のメキシコシティに暮らす家族を描いたアルフォンソ・キュアロン監督の秀作は最優秀外国語映画賞を受賞。キュアロン本人も、監督賞を受賞した。

その一方で、映画俳優部門の受賞者は幅広い顔ぶれとなった。ミュージカル・コメディ映画部門では、『バイス』でディック・チェイニー元副大統領を演じたクリスチャン・ベールが主演男優賞部門を受賞。オリヴィア・コールマンは『女王陛下のお気に入り』のアン女王役でミュージカル・コメディ映画部門主演女優賞を受賞した。グレン・クローズは『天才作家の妻40年目の真実』でドラマ映画部門主演女優賞の栄冠を手にし、助演女優賞には『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キングが選ばれた。

Translated by Akiko Kato

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