日本と韓国ファンを熱狂させた、映画『ボヘミアン・ラプソディ』現象

クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレック Alex Bailey/Twentieth Century Fox

伝記映画史上最高の興行収入を上げた『ボヘミアン・ラプソディ』は、世界中の人々の共感を呼ぶと同時にクイーンブームを再燃させ、既存の映画鑑賞方法までも変えようとしている。

『ボヘミアン・ラプソディ』は史上最高の興行収入を上げた伝記映画となった。その成功は東アジアのクイーン人気に寄るところが大きい。IMBDが運営する映画サイトBox Office Mojoが公表した売り上げランキングによると、1位が韓国(7千万ドル/およそ75億円)、そして日本(6千400万ドル/およそ69億円)と続き、どちらもバンドの故郷であるイギリス(6千300万ドル/およそ68億円)を上回った。北米の売り上げがアジアを上回ったのも、1累計1万9500ドル(およそ21億円)という数値を出した1月9日だけである。

日本と韓国における『ボヘミアン・ラプソディ』の熱狂的な人気の背景には、韓国で上映された「一緒に歌える」バージョンの影響が大きいとされる。「一緒に歌える」バージョンの上映と合わせて、観客にフレディ・マーキュリーのコスプレを促す流れもあるほどだ。NatureなどのK-popグループもテレビ番組でクイーンの楽曲のカバーを披露している。ワシントン・ポスト紙は、韓国におけるクイーン関連のイベントの多さを取り上げた。そのなかには、クイーン公認フォトグラファーのリチャード・ヤングによる写真展やクイーンのトリビュートバンド、ザ・ボヘミアンズをヘッドライナーに迎えたツアーなどが挙げられる。

東京では、『ボヘミアン・ラプソディ』旋風は——今のところ——日本人の控えめな映画鑑賞方法を覆している。同作が公開されて以来、シネマコンプレックスは上映中に観客が踊り、立ち上がり、応援し、一緒に歌うことを認めたのだ。さらに、東京周辺では『ボヘミアン・ラプソディ』はちょっとした世間話の人気ネタとしても定着してきた。

日本と韓国のファンにとって、同作はクイーン世代の人々のノスタルジーを呼び覚ます一方、若い世代の人々にクイーンというバンドの存在を知らしめた。クイーンは日本と韓国において1970年代から80年代にかけて絶大な人気を誇り、バンドと日韓のファンは長年の関係を築き上げてきた。とりわけ韓国での同作の成功に驚いたギタリストのブライアン・メイは、感謝の気持ちを込めて「サンキュー」動画を配信したほどである。



また、日本に向けてはインスタグラムでありがとうメッセージを投稿した。


Translated by Akiko Kato

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