Anchorsongが語る、日本人から見たロンドンの現実とグローバルな音楽観

Anchorsong



―2015年にロンドンに戻ったあと、何か変化を感じたりはしましたか?

吉田:戻ったら、好きなライブハウスがいくつかなくなってたんですよ。街の至るところで再開発が進んだことで、ファンに愛されてきたヴェニューが営業を続けられなくなった。それに対して反発してる人も大勢います。

―ジェントリフィケーション問題は深刻らしいですね。ホームレスは住めなくなったし、生きづらい街になってきているという話はよく聞きます。

吉田:それによって、ロンドンのシーンがダメになりつつあるっていう人は少なくないですね。ただ外国人の視点からすると、なんだかんだ今でも面白いなって思いますけどね。

―「サウスロンドンが熱い」と、ここ最近よく言われていますけど。

吉田:南ロンドンのジャズシーンは、実際にかなり盛り上がっているみたいですね。僕自身は北と東が好きなので、あまり行ってないんですけど。北と東はシーンが面白いというより、単純に暮らしやすいんですよ。あと、ダルストンっていう街の周辺では、今も面白いイベントがたくさん開催されていて。Cafe Otoっていうエクスペリメンタルな音楽を専門で扱っているヴェニューがあるんですけど、そこはミュージシャンもたくさん集まってるし、「ここに行けば面白い音楽をやっている」とみんな知ってるから、内容よくを知らずにチケットを買うような人も多いんですよね。そういう場所が東ロンドンには少なくないと思います。

―今回のジャパンツアーでは、弦楽カルテットと共演する日もありますね。

吉田:日本でやるのは久しぶりですけど、弦楽四重奏とのコラボは定期的に続けてきたんですよ。僕が曲作りするときは、弦のアレンジを施せるような余地を常に残してるつもりで。弦のアレンジも自分でやっているんですけど、そのプロセスから学ぶことがすごく多いんですよね。自分がライブをやるときは、音源よりもアップリフティングな感じにしたいんですけど、それがうまくいかない場合もある。だから元々アッパーな曲をあえてメロウにしてみたり、展開を加えたり、弦楽器のアレンジをもっと派手にしたり……そういうことを試していくうちに、それまで気づかなかった曲の魅力が見えてきたりするんですよ。

―いいライブが見れそうですね。

吉田:原曲が識別できないほどドラマチックに変えるのではなく、あくまで原曲を弦楽器で華やかにするようなイメージで、楽曲の世界観をよりはっきりと表現できたらと思っています。



―最後に、ロンドンで音楽活動するうえでの心構えを教えてもらえますか。

吉田:まずは、共同生活に慣れることが大前提ですね。こっちで暮らすなら、よっぽど経済的に余裕がない限りフラットシェアは避けられないし、そこでいい加減な人と住んじゃったりすると、思いがけない問題も多く発生するので。あとは音楽が盛んで活動する場も多いですけど、ミュージシャンの母数も多いので、レベルも競争率も高いから、そのなかで存在感を示していくには相当の努力が必要になってくると思います。



<イベント情報>



Anchorsong Japan Tour 2019


2019年1月17日(木) 東京・新宿Marz(String Quartet Set)
2019年1月18日(金) 浜松・Planet Cafe
2019年1月19日(土) 名古屋・Club Mago
2019年1月20日(日) 大阪・Circus

<リリース情報>

Anchorsong 『Cohesion』

Anchorsong
『Cohesion』
発売中
レーベル:Beat Records / Tru Thoughs
品番:BRC-582
価格:¥2,400+税

=収録曲=
1. Eve
2. Expo
3. Mother
4. Oriental Suite
5. Kajo
6. Monsoon
7. Butterflies
8. Rendezvous
9. Last Feast
10. Outro
11. Ceremony
12. Wolves *Japan CD Only
13. Diver *Japan CD Only

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE