45年前に脱獄した殺人犯、その巧妙な手口と現在の行方

1965年、当時14歳のメアリー・エレン・ディーンを殺害したとして有罪判決を受けたレスター・ユーバンクス(Courtesy of US Marshals)

1973年12月、米オハイオ州で5本の指に入る脱獄犯、レスター・ユーバンクスが脱走したとき、現在連邦保安官補のデヴィッド・サイラーは生後20日の赤ん坊だった。

ユーバンクスが今も脱走中という事実と向き合わなければいけない立場にあるサイラーは、夜な夜な頭を悩ませている。「あきらめることのできない事件というのがありますが、これがまさにそうです」と、ローリングストーン誌の取材に対してサイラーは語った。「あまりにも冷酷非道です。誰かが指揮をとってこの怪物をとらえなくてはなりません」

もともとユーバンクスは、1965年11月に起きた当時14歳の少女に対するレイプ未遂および殺人事件で死刑を宣告されていた。だが1971年、アメリカ最高裁判所は死刑が憲法に違反するとして、彼の刑を仮出所なしの終身刑に切り替えた。

彼が一生塀の中で暮らす生活まんまと抜け出したのは1973年12月7日。この日彼は、刑務所内での素行が良かったとしてオハイオ州コロンバスにあるショッピングモールへクリスマスの買い出しを許可された。待ち合わせの時間になっても看守のもとへ戻らなかった彼は、そのまま行方不明となった。

脱走から45年が経過したにも関わらず、サイラーをはじめとする連邦保安官たちは、現在75歳になっているユーバンクスを連邦保安局の重要指名手配リストに載せ、捜索を強化した。2018年12月7日、彼は脱走から45年目を迎えた。サイラーと連邦保安局は、重要指名手配リストに載せたことで彼の存在があらためて注目され、何十年も白昼の下で暮らしているであろう逃亡中の殺人犯が突き止められると期待している。

もしかすると、ユーバンクスはアートや音楽、武道の愛好家として知られているかもしれない。あるいは、彼の右上腕部にある原因不明の大きな傷に気づいた人もいるだろう。「(我々に必要なのは)たった一つの通報です。誰か1人が、パズルの最後のピースを提供してくれればいいんです。1年前、2年前に見かけたというのでも構いません」とサイラー保安官補は語る。「我々はそれを待っています。誰かが『この男なら知っています』と名乗り出てくれるのを」

Translated by Akiko Kato

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