”人殺しの山”と呼ばれる、米国最大の大麻生産地「エメラルド・トライアングル」の謎に迫る

Netflixの新しいドキュメンタリー・シリーズ『マーダー・マウンテン:ハンボルト郡へようこそ』が、カリフォルニア州ハンボルト郡のミステリーに迫る。(Photo by Lightbox/Netflix)


「大麻はもちろん、ゲートウェイドラッグではない」とゼーマンは言う。「しかし、大麻の栽培や取引を取り締まることで、他の薬物の違法な製造・取引を助長する可能性がある。例えばある麻薬密売組織がハンボルト郡で違法な大麻取引を始めると、その取引ルートは別の違法薬物や性的人身売買にも利用できる。」

法執行機関との悲劇的な歴史やブラックマーケットの活発化と相まって、マーダー・マウンテンの辺鄙な地理的条件が、ギャレット・ロドリゲス殺人事件等の真相追求をドキュメンタリーとしてやりがいのあるものにしている。ゼーマン曰く、アルダーポイントの住人に尋ねると、警察は殺人事件の容疑者の情報を多く持っているものの、ギャレットが違法行為に関与していたために何もしないという。また警察側に尋ねると、カバーすべきエリアが広くリソースが足りない上、犯人逮捕には伝聞証拠以上の確実な証拠が必要だ、と主張するだろう。マーダー・マウンテンではよくありそうな話だが、真実は、住人側の言い分と警察側の主張の間のどこかにありそうだ。

「ハンボルト郡の法執行機関は、(ドキュメンタリーを知って)強い非難の声を上げている。残念に思う」とゼーマンは言う。「独裁的なやり方でなく、ハンボルト郡のことを思うがゆえに同郡の弱い部分を晒そうとしている彼らは、とても立派だと思う」と言うゼーマンは、地元法執行機関と“アウトロー”たちはどちらも“広域の政治戦争における使い捨ての兵士”のように感じているだろう、と思っている。国レベルでの合法化や解禁がなされるまで、状況の変化は難しい。もしも両者が協力できるような状況になれば、「皆が真にハンボルト郡を愛せるようになる」とゼーマンは言う。

一方、合法的な生産を行う200軒以上の小規模農場主が結束し、大企業に対抗して自分たちの農場を所有したいと願い、True Humboldt Brandを結成した。ドキュメンタリー・シリーズに取り組む時間がもっと欲しいと願ったゼーマン同様、ポジティヴな展開だ。

「シリーズの目的は、大麻を取り締まることで生じた弊害を明らかにすること。残念ながら人々の注意を惹くためには、ネガティヴな面にフォーカスせざるを得ない」と彼は言う。「しかし一旦光を当て、よりネガティヴな部分を一掃できたら、ハンボルト郡は大麻版ナパ・ヴァレーとして一流の観光地になり得る。合法的な農場主たちは、それを実現させようとしている。長年に渡る沈黙と日陰の時代を経た後で合法的なマーケットへ移行するのは、大きな勇気がいる。ハンボルト郡の人々は今、それを実現しようとしているのだ。」

Translation by Smokva Tokyo

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