レディー・ガガとケンドリック・ラマー、2019年アカデミー賞オリジナル・ソング部門の戦い

『ブラックパンサー』より「All the Stars」

『ブラックパンサー』のサウンドトラックのリードシングルであると同時に爆発的なヒットを記録した「All the Stars」は、SoundwaveとAl Shuxが繰り広げるビートとトップ・ドッグ・エンターテイメント(TDE)が誇る所属アーティストのケンドリック・ラマーとSZAの融合だ。スーパーヒーローを描いた大ヒット映画のサウンドトラックアルバムのエグゼクティブ・プロデューサーを手がけたラマーは、今回の取り組みについて「この映画のすばらしい点は、アートとカルチャーの結びつきを見事に描いていることだ。サウンドプロデュースに関する自分の知識を提供し、マーベル・スタジオの理想を追求しながらライアン・クーグラー監督と一緒に作曲できたことは本当に光栄だ」と語った。

最優秀オリジナル・ソング部門へのノミネートは、ケンドリック・ラマーとSZAの2人にとって今回が初となる。「シャロウ」同様、「All the Stars」もグラミー賞の年間優秀楽曲などにノミネートされる一方、『ブラックパンサー』のサウンドトラックも年間優秀レコードへのノミネートを果たしている。

『RBG(原題)』より「I’ll Fight」

米最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグを描き、高い評価を得たドキュメンタリー映画『RBG(原題)』のアンセムとなったダイアン・ウォーレン作曲による「I’ll Fight」を歌うのはジェニファー・ハドソン。「ジェニファー・ハドソン以外にこの曲を歌ってほしくない」とウォーレンは米ヴァラエティ誌に語った。「ジェニファーと手がけた楽曲は今回が4作目だと思います。ジェニファーには何がなんでも歌ってほしいと言いました。何よりも気に入っていたのは、ルース・ベイダー・ギンズバーグが優しい声で話すのに対し、その言葉が強い響きを持っていたことです。だから、ジェニファーのようなパワフルな人物に歌ってもらうことで、とてもクールな楽曲に仕上がりました」

最優秀オリジナル・ソング部門にノミネートされるのは今回で10回目となるが、いまだにウォーレンは栄冠をつかめずにいる。過去のノミネート作品には、エアロスミスによる『アルマゲドン』主題歌のバラード「ミス・ア・シング」、クレイヴン監督作『ミュージック・オブ・ハート』でグロリア・エステファンとイン・シンクが披露した「Music of My Heart」、アフリカ系アメリカ人として初めて米最高裁判所の判事に任命されたサーグッド・マーシャルを描いた伝記映画『マーシャル 法廷を変えた男』のためにコモンと手がけた「Stand Up for Something」などが挙げられる。

Translated by Shoko Natori

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