デヴィッド・ボウイ、ジギー・スターダストとしてテレビ初出演した映像が発見

1970年代、ジギー・スターダストとしてパフォーマンスをするデヴィッド・ボウイ(Photo by Hulton Archive/Getty Images)

長い間消失したと思われていた、デヴィッド・ボウイがジギー・スターダストとして初めてテレビに登場した記録映像が発見された。この映像は新しいBBCドキュメンタリー内で公開される可能性があるという。

イギリス人全員がギターを弾いているジギーを見た瞬間がついに蘇る。公文書保管人たちが、ジギー・スターダストとして初めてテレビに登場した記録映像を発見した。これは英ITVの『Lift Off With Ayshea(原題)』の1972年のパフォーマンスで、長い間消失したと思われていたと、BBCが伝えている。実はグラナダTVが映像のデジタル化を行ったときに「リフト・オフ」の録画テープが一掃されたため、この記録映像は永遠に見つからないと考えられていた。

ところが、あるファンがこの放送を録画していたのである。しかし、当然のことながら録画テープは劣化でボロボロのため、この映像はリマスタリングされる予定だ。そして、復元作業が間に合えば、次のBBC2のドキュメンタリー『David Bowie: Finding Fame(原題)』に収録される可能性がある。

「ファンにとってこの映像は聖杯のようなものだ」と、ドキュメンタリーのプロデューサー兼ディレクターのフランシス・ワトリーが番組『The Radio Time(原題)』で語った。「このテープは、再生すると確実に切れる状態で、これから慎重に復元しないといけない。復元が成功したら本当に素晴らしいことだ」と。

新ドキュメンタリーの『Finding Fame(原題)』は、ワトリーが製作したボウイのドキュメンタリー三部作の第三部だ。90分の作品で、ボウイの未公開音源を公開する。その中には1965年のBBCのオーディションで当時のバンドLower Thirdと一緒に演奏した「チム・チム・チェリー」と「Baby, That’s a Promise(原題)」が含まれているという。当時、「コックニーでは一番だが、突出したものはない。個性に欠ける」としてBBCはボウイを不合格にした。

「こういった失敗が後にジギーにつながる足掛かりだったが、これ以外のたくさんの失敗がジギーを生み出した。こうした事実は、ボウイが自分の失敗を受け入れて、そこから学んだ証拠だ」と、ワトリーが語った。

この映像が発見される前に現存する最も初期のジギー映像と呼ばれていたのが、『Top of the Pops(原題)』で「スターマン」を演奏している映像だった。この番組でのボウイはヘビ柄のジャンプスーツに身を包み、赤毛のマレットヘアを逆立てていた。

Translated by Miki Nakayama

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