それでは、福祉受給資格制度を「見直して」国の負債を減らすというシュルツ氏の案はどうだろう? 最近の世論調査によれば、「社会保障、メディケア、メディケイドなどの福祉受給プログラム」にメスを入れて予算を削減するのがよい、という人は、全体の21パーセントにすぎなかった。
スターバックスの名誉会長であるシュルツ氏の純資産は34億ドル。民主党の多くの議員が提案する富裕層への増税が実現すれば、彼も痛手を被るだろう。本人はTwitterの動画で、今後数カ月中にアメリカ国内を回って、国民の声をヒアリングして回ると主張しているが、同じ野望と信条を共有するもう1人の億万長者、マイケル・ブルームバーグ氏のアドバイスに耳を傾けたほうがいいかもしれない。
元ニューヨーク市長も(民主党候補として)大統領選出馬を検討しているが、シュルツ氏のツイートへの返答と思われる声明文を掲載した。
「ご衆知のとおり、私も一度は独立派として出馬を考えたことがあります。事実、独立派として立候補を検討している方々がいま直面している決断と、同じ決断をわたくしも下しました。数字は非常に明確、かつこれまでと同じ結果を示しました。政党勢力の強い影響力と、選挙人制度という現実を考えれば、独立派として勝利するのは無理な話なのです。2020年の大統領選でも、独立派が反トランプ票を分け合う形となり、結局大統領を再選させてしまう可能性が高まっています。私は2016年、そのような危険を冒すまいと決断しました。今回も決して、そのような危険を冒すわけにはいかないのです」