音楽評論家・田中宗一郎が予想する、2019年のトレンドはオーセンティックな歌への回帰?

エラ・メイ(Photo by Bennett Raglin/Getty Images for Power 105.1)

音楽評論家・田中宗一郎と映画・音楽ジャーナリストの宇野維正が旬な音楽の話題を縦横無尽に語りまくる、音楽カルチャー誌「Rolling Stone Japan」の人気連載「POP RULES THE WORLD」。2018年12月発売号の対談では、90年代調のR&Bソング「ブード・アップ」の大ヒットで「2018年最大のシンデレラ・ストーリー」と騒がれたエラ・メイを例に挙げ、2019年以降はオーセンティックな歌への回帰がひとつのトレンドになるのではないか? と田中が推測している。

田中:エラ・メイのサウンドって、オーセンティック過ぎるくらいオーセンティックでしょ。もちろんプロダクションの細部はきちんと現代的にアップデートされてるんだけど、基本的なフォルムは90年代R&Bそのものだとも言える」

そして、それが2018年に大ヒットしている理由については、このように解説している。

田中:やっぱり時代の揺れ戻し。2010年代みたいにいくつもの音楽的なイノべーションが巻き起こって、しかもそれが広く大衆に受け入れられた時代はなかったと思うけど、それがずっと続くっていうのもそれはそれでしんどい話じゃん。ゼロ年代初頭にレディオヘッドが世界の覇権を握ってからの10年っていうのは、そこに触発されたUSインディの時代が花開いたわけだけど、やっぱり2008年辺りに分岐点を迎えた。それと同じで、今みたいにゲームの規則が固まった後に、次の時代が来てもおかしくない。実際、エラ・メイのアルバムって、伝統的な鉄板サウンドと、ソングライティングへの回帰があるでしょ。完成度が高くて、誰も拒まないレコードだと思うの。『エラ・メイ』の90年代R&B的なオーセンティックな方向性というのは、2019年以降のトレンドになるんじゃないかな」



その後、本誌での2人の会話は、トラディッショナルなソングライティングの技術でも評価されている故・XXXテンタシオンの「カート・コバーン化」や、オーセンティック回帰に対するオルタナティヴとしてのリアーナへの期待へと広がっていく。

Edit by The Sign Magazine



田中宗一郎と宇野維正の2018年の年間ベスト・アルバム/ベスト・ソングのSpotifyプレイリストはこちら。







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