サンダンス映画祭を揺るがした、マイケル・ジャクソンの衝撃的ドキュメンタリー

1988年のツアー時に専用機内で撮影されたマイケル・ジャクソンとJimmy Safechuck(当時10歳) (Photo by Dave Hogan/Getty Images)


一方、イン・シンクやブリトニー・スピアーズの振付を手掛けるなど、振付師として成功しているRobsonは、ジャクソンからわいせつ行為を受けたと主張しているにもかかわらず、公判で彼を擁護し続けた。彼がその理由について、自身のキャリアが閉ざされてしまうこと、そしてジャクソンの子供たちが2度と父親に会えなくなることを懸念したと語る様子は、本作で最も痛ましい場面のひとつだ。2009年にジャクソンが逝去した後、2人は結婚して子供を授かっている。それでも、両者は睡眠障害をはじめ、心的外傷後ストレス症候群の様々な症状に苛まされていると告白している。2人とも最終的には自身の身に起きたことを性的虐待と表現するようになり、そのトラウマを乗り越えることが容易ではなかったことをうかがわせる。(RobsonとSafechuckは当初ジャクソンの嫌疑を肯定しなかった理由について、その内容が自身の経験とは差別化される必要があったためと語っている)

サンプル
マイケル・ジャクソンとWade Robson

エンドロールが流れる頃、その衝撃的な内容に唖然としていたオーディエンスは、本作によってジャクソン・エステートが被るダメージの規模について想像していたに違いない。2人に胸の内を明かす機会を与えた本作の意図は明らかだ。ジャクソンに対する疑惑を徹底的に追求し、それを極めてパーソナルなものとして描き出す本作は、無視することのできない説得力に満ちている。本作は2人の主張をニュートラルに伝えており、また近年起こされた裁判がジャクソンのイメージを貶めている点にも言及している。

Translated by Masaaki Yoshida

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