「業界の外」から音楽業界の流れを変える、知っておくべき世界の実力者トップ5

ソニー社長兼CEO、吉田憲一郎もキーパーソンのひとり。(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)



2)ヴァンサン・ボロレ ヴィヴェンディ社株主

ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)のCEO兼会長のルシアン・グレンジ氏は、2019年の音楽業界有力者リストの上位を飾ることが確実視されている。昨年、アメリカでもっともストリーミングされたアルバムTOP 10では、ドレイク、ポスト・マローン、ミーゴス、ジュース・ワールド、マルーン5らを筆頭に、UMG所属のアーティストが上位8位を独占した。またグレンジ氏はUMGに業界史上最高額の売上高をもたらし、同社――リパブリック、キャピトル、インタースコープといった各種レーベル、そしてもちろんユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループの親会社――の2018年の年間売上高は70億ドル前後に達するとみられている。

結果としてUMGは、パリに拠点を置く親会社ヴィヴェンディ社の稼ぎ頭となった。ヴィヴェンディ社は今年末までに、UMGの50%の株式売却を予定している。UMGの企業価値が現在330億ドル――2017年度の営業利益の38倍以上――であることを考えれば、グランジ氏がヴィヴェンディ経営陣からあからさまにお褒めの言葉を拝領したのも当然だ。

こうした素晴らしい業績にも関わらず、ヴィヴェンディ社にはグランジ氏が常にご機嫌をうかがう人物が1人いる。

ヴァンサン・ボロレ氏はヴィヴェンディ社の元会長。だが実際は、「元」というのは建前にすぎない。4年間会長を務めたヴァンサンは、2017年に引退するにあたり、ヴィヴェンディ社のトップの座を息子のヤニックに譲り渡した。言い換えるなら、少なくとも表向きは、ヤニックの会長指名をヴィヴェンディの上級顧問団に“進言”した。

ヴァンサン・ボロレ氏の投資窓口となっているボロレ・グループは、ヴィヴェンディ社の単独筆頭株主でもある。同社の普通株の20%を所有し、1/3近い議決権を持つ。言わずもがな、フランス人の彼は一発触発のユニバーサルの売上動向に目を光らせ、精査しているにちがいない。

Translated by Akiko Kato

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