LOW IQ 01が語る、バンド時代とソロ20年の歩み

中学を卒業し、高校に進学したがすぐに退学。そして、先輩のバンドのローディーを務めるようになった。そのバンドの対バン相手のメンバーだったのがアイゴンこと會田茂一氏。アイゴンとの出会いは、結果的にイッチャンをプロの道へと誘った。アイゴンと結成したACROBAT BUNCHで1993年にレコードデビューを果たしたのだ。「楽しかったよね。当時はハイスタ、ABNORMALS、COKEHEAD HIPSTERSとかとライブハウスでやってたんだけど、客が身内しかいなかったりして(笑)。でもそのうちに、アイゴンとはお互い追求する音楽が違ってきちゃって。俺はもっと激しい音楽をやりたくなって、友人のジャッキー(大高ジャッキー)を誘って結成したのが、SUPER STUPIDなんだ」と、SUPER STUPID結成のまでの経緯を教えてくれた。

SUPER STUPIDは、メロコア・シーンにおける伝説の3ピースバンドだ。5年間の活動で2枚のアルバムしかリリースしていないが、インド音楽やサンプリングを積極的に用いた多様な音楽性は、メロコアの領域を超え、様々なバンドに大きな影響を与えた。だが、バンドは“内部崩壊”を起こし、99年に活動休止。休止のときの心情を聞くと「逆にチャンスって思ったね(笑)。ソロができるから。実際に活動休止する前からソロの準備にかかっていたんだよね」と屈託なく答えてくれた。

Photo = Shuya Nakano

そのSUPER STUPIDが2015年のBRAHMAN主宰の「尽未来祭」で一度だけ再結成をしたことは本誌の読者ならご存知だと思う。「TOSHI-LOWが『SUPER STUPID、もう一回やんないの?』って言ってきたんだけど、断ったんだよね。だってジャッキーは音楽活動から遠ざかっていたから。別のバンドでもなんでもジャッキーが現役だったら一緒にできたんだろうけど、ほぼライブ活動していない状態のジャッキーをフックアップするのは無理だと思って」と、イッチャンはSUPER STUPIDの再結成を頑なに拒んだことを告白してくれた。だが結局、活動休止中だったSUPER STUPIDを解散するために、SUPER STUPIDとして「尽未来祭」に出演を果たした。あれから3年が経つが、あの日の出来事をどう感じているのだろうか?「スッキリしましたね。昔から一緒にいた周りのバンドも解散したり活動休止したりしてましたけど、時々また集まって演奏したりして、みんな帰る場所があるんだなと。俺には帰る場所がないような状態だったから。でも、だからこそソロを頑張ってこれたんけどね。あの日、1日だけ再結成して、俺の帰る場所が分かっただけでも大きいよ」とイッチャン。

帰る場所とはSUPER STUPID?と聞くと「いや、SUPER STUPIDはあの日で解散したので。帰る場所はベースだって気が付いたの。ソロではギターを弾いてきたけど、SUPER STUPIDではベースを弾いて、『俺、ベーシストなんだ』ってあらためて感じたんだ」とハッキリと答えてくれた。

ロケ地協力:珈琲ロン

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