「ミニマムでシンプル」を実践するAAAMYYY、謎めいた作品の奥にあるもの 

AAAMYYY(Courtesy of SPACE SHOWER MUSIC)



ーもう少し歌詞の話を聞かせてください。歌詞のインスピレーション源ですが、実体験を下敷きにしたものが多いんですか?

そうですね。割とその時に考えてたりすることがきっかけになってます。例えば「屍を越えてゆけ」は三途の川を渡るイメージで書いたんです。カナダに行っていろんな人と英語で話してると、様々な宗教の人がいることに気づくんですよ。キリスト教以外の宗教の人もたくさんいる。埋められて死ぬのが本望だって人もいれば、海に散骨したいという人もいるわけです。で、私の宗教的アイデンティティはどこにあるんだろうと考えたら、三途の川みたいなイメージに行き着いたというか。

ー深いですね。

後から知ったんですけど「俺の屍を越えてゆけ」っていうゲームが昔あったらしくて(1999年に発売されたプレステ用のRPGソフト)、昔の時代の人が呪いを解くためにどんどん代を重ねて強くなるっていうゲームらしいんですけど、それも曲と共通するところがあると思って。でも元々はタイトルを先に決めていて「俺の屍を越えてゆけ」って英語にすると「over my dead body」で、ドレイクの曲に「Over My Dead Body」っていうのがあって、それが好きだという安直な考えが一番最初のきっかけだったりします(笑)。



ー僕は『WEEKEND EP』収録の「JESUS」って曲がきっかけでAAAMYYYさんの音楽が好きになったんですけど、あの歌詞はどういうモチーフが?

あれは神頼みの曲です。あの曲を書いた時、無宗教の人が増えているなという印象を受けていて、無宗教でいることが一つのアイデンティティであるのかもしれないけど、みんなお参りに行くじゃないですか。で、私は都合がいい時だけ神頼みしていると、悪いことが起きた時に救いが無くなってしまうかもしれないという恐怖を感じたので、そういう気持ちを歌詞にしたりして。あとは彼氏にフラれた時、自分はいいことばかりしてきたつもりだけど、そうじゃなかったかもしれないという反省とか、逆に相手はどうだったんだろうとか、そういうことを歌ってますね。

ーうーむ、深い。「彼氏にフラれて最悪。神様どうしよう」みたいな軽い感じの失恋ソングかと思ってました。

それもありますよ。そういう考え方のほうが心がラクになりますし。でもまあ、二面性があるってことですよね。

ーもっと歌詞について話したいのですが、続いてサウンドメイキングについて聞かせてください。ソングライティングはどういうプロセスで進んでいくんですか?

移動中とか外にいる時にひたすらトラックを作ってます。移動中のほうがいろんな音楽を聴いたり、景色を見たりしているので「これいいかも」みたいなアイデアが入ってきやすいのかもしれない。Figureというスマホのアプリで土台を作って、帰宅したらDAWに入れて足りない要素を付け足したり、エディットしたりしてます。私の場合、TENDREでクルマで移動する時は自分が運転することが多いから、移動中は何もできないんですけど、Tempalayの時は席に座ってPC広げて作業することもあります。クルマの中で聴いてる音楽が例えば5分の4拍子の曲で面白いなと思ったら、アルペジエーターとかを使って4拍子の曲にそういうリフを入れたり。偶然の産物が多いです。

ー今回のアルバムはどういう感じだったんですか?

バラード調のものは歌から先に出来上がりましたね。

ーAAAMYYYさんが作るトラックも好きなんですけど、やっぱり心にグッとくるのは歌メロなんですよね。『BODY』の曲はそのメロディたちがより色鮮やかになったなぁと思って。

完成してから振り返ってみると、確かに歌メロに光るものがたくさんあったと思います。

ー「これだ!」ってメロディが思い浮かぶまでは大変ですか?

いつもそういう感じですね。トラックのストックがいっぱいあるんですけど、一応デモとして歌とかその時に思い浮かんだメロディを入れてはいるんです。しっくりこないやつはしばらく熟成させて、後々聴いてみて「こっちのメロディのほうがいいな」って差し替えたり。「GAIA」はそういう曲です。最初は全然違うメロディでした。

ー今回はフィーチャリングのゲストも多彩です。

スペースシャワーTVの「PLAN B」って番組でニューヨークに行った時にコラボしたのが「Z(Feat. Computer Magic)」と「All By Myself(Feat. JIL)」です。現地で作って録って、日本に帰国してからミックスをして。「ISLAND Feat. MATTON」に関しては、同じレーベルのチームでもあるPAELLASのMATTONが「一緒にやろうよ」って言ってくれて。CONYちゃん(CONYPLANKTON)は初対面の時、まったく同じ格好をしていて妹みたいだなと思って、その後に彼女のバンド(TAWINGS)を聴いたらカッコよくて。CONYちゃんはギターを弾けるし、これまで女の子をフィーチャリングしたことがなかったから一緒にやったら面白いかなと思って「EYES Feat. CONYPLANKTON」で実現しました。



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