「ミニマムでシンプル」を実践するAAAMYYY、謎めいた作品の奥にあるもの 

ー「GAIA」で<Harmony Supervisor>でクレジットされているTomoko Osakaさんはどんな方なんですか?

SANABAGUN.やSuchmosでコーラスをしている女の子です。同い年なんですけど、私が今のソロを始める前からの付き合いで。この曲のメロディの作りが面白かったので、彼女にコーラスで参加してもらいたたくて。

ー「愛のため」には<Dedicated to Takuma Oikawa>というクレジットがありますけど、Oikawaさんは?

この曲を書くきっかけになった人なんですけど、昨年秋ぐらいに亡くなった私の曲作りの師匠です。DTMのやり方をいろいろと教えてくれて、当時OikawaさんはPinag sama samaっていう2人組のユニットで活動していて。ドラムマシンで作った4小節のビートをサンプラーに入れて、そのビートを流しながらOikawaさんがギターを弾いてリフをつけて、もう一人がベースラインを入れて歌うみたいな作曲スタイルだったんです。当然かもしれないですけど、私の今の曲の作り方に似てるところがあって。

ーAAAMYYYさんの曲が、ミニマムかつシンプルなのに有機的な感触があるのは、その師匠の教えの影響もあるんでしょうね。

最近はそういうシンプルなものでも成立するんだろうなって気持ちで曲を作ってますね。ソロになる前は、音数が多くてポップス路線というか割とメジャー寄りのサウンドだったんです。それはそれですごく面白かったんですけど、昨年の一件もあって師匠の教えに立ち返るというか、ミニマルでシンプルなトラックが多くなりました。

ー昨年のバンド編成のライブも拝見したのですが、ドラム、ベース、ギター、キーボードとの絡みも堂々としていて惚れ惚れしました。個人アーティストとして活動しているAAAMYYYさんにとってバンドでのライブはどんな体験になりましたか?

めちゃくちゃ気持ちよかったです。ツーミックスでデジタルの音源を流すだけってことと比べたら、まず音の迫力が違いますよね。“人間が奏でるのがバンド”っていう当たり前のことに、2018年はTENDRE、Tempalayでステージに立ってみて、改めて感動する機会が多かったです。ソロのバンドに関しては、周りにシーケンスを流しながらライブをする人が多くて、私もそれがスタンダードなアプローチだなと思いつつ、いかにそうじゃない見せ方でできるかを探すのが今は楽しくて。

ーAAAMYYYさん独特の言語が「5人の音楽」に翻訳されているなぁと感じました。

音源とライブは別物だから面白いですよね。

ー3月には東京と大阪でリリースイベントもあります。バンドの可能性もまだまだ広がりそうですね。

バンドのメンバーそれぞれスゴい人たちなので(TENDERの河原太郎、SANABAGUN.の澤村一平、ODD FOOT WORKSのTondenheyなど)、いつも私は個性をどんどん出してくださいってリクエストするんです。ミュージシャンの方によっては、あまり個性を出さずにバックバンドに徹するのが正義って方もいると思うんですけど、音源をなぞるのではなくプレイヤーが感じるグルーヴで表現してほしいって。そうすると思いがけないものが生まれたりして、また新しい発見があるんです。知らない間にミュージシャンとして成長できたりするから、バンドは面白いですね。



『BODY』
AAAMYYY
SPACE SHOWER MUSIC
発売中

01. β2615
02. GAIA
03. 被験者 J
04. Z (Feat. Computer Magic)
05. ポリシー
06. ISLAND (Feat. MATTON)

07. 愛のため

08. All By Myself (Feat.JIL)

09. 屍を越えてゆけ

10. EYES (Feat. CONYPLANKTON)

<ライブ情報>
「BODY~屍を越えてゆけ~」
2019年3月9日(土)渋谷 WWW

2019年3月30日(土)大阪 CONPASS

https://spaceshowermusic.com/artist/12483693/

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