ザ・キュアーのロバート・スミス、自身のアルバム14作を振り返る

7.
『The Head on the Door』
1985年
The Head on the Door

れっきとしたバンドを再び欲するようになったスミスは、ザ・キュアーを5人体制で再始動させた。前作『The Top』とは打って変わり、『The Head on the Door』のレコーディングは一発録りを基本とした。MTVでヘヴィローテーションされた「Close to Me」のビデオで定着したヘアスタイルと口紅のイメージを嫌ったスミスは、全米ツアーを前にクルーカットにした。



スミス:金属製の弦を張った立派なアコースティックギターを買ったんだけど、それを手に取るやいなや「In Between Days」のコード進行が浮かんだ。それまでは質のいいものを所有したことがなかったから、弾きたいと思ったことも特になかったんだ。

ポールは(・トンプソン)はギタリストとして常に素晴らしい仕事をしてくれているし、ボリス(・ウィリアムス)は文句のつけようがないドラマーだ。「Six Different Ways」みたいな曲ができたのは、それまでのドラマーと違って彼が8分の6拍子を叩けたからだ。腕のいいミュージシャンたちと一緒にやれて、すごく気分が良かったよ。好きなだけジャムっていられるって素晴らしい、そう思ったね。

歌詞の大半は、スタジオでのくだらない会話が元になっているんだ。猫の皮を剥ぐ方法は何通りあるかっていう、昔からあるトピックだよ。あの会話の中身のなさは絶望的だったね(笑)その時に誰かが言ったんだよ、「絶対に6通りはある」ってね。曲が8分の6拍子だったこともあって、タイトルにぴったりだと思ったんだ。

1時間おきに流れるMTVニュースのヘッドラインに、「衝撃! ロバート・スミスが断髪」っていうヘッドラインが出たことがあった。正気なのかジョークなのか、よく分からなかったよ。自分の容姿にはいつも嫌気がさしてるけど、クルーカットの自分は特にひどいと思う。ツアー前にあんな髪型にしたのは、髪型と口紅のことばかり取り上げるメディアにうんざりしてたからだよ。






※Spotifyはこちら

Translated by Masaaki Yoshida

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