ザ・キュアーのロバート・スミス、自身のアルバム14作を振り返る

2001年撮影のロバート・スミス(Photo by Tim Roney/Getty Images)

フジロック’19でヘッドライナーを務めるザ・キュアーの歩みを総括した、14000字の決定版インタビュー。各アルバムに対する評価とエピソードを、フロントマンのロバート・スミスが包み隠さず語る。

ザ・キュアーの11枚目のアルバム『Bloodflowers』の発売を目前に控えた2000年のある日、写真撮影を終えたばかりだったロバート・スミスは、トレードマークのヘアスタイルと口紅はそのままに、ニューヨークのとあるホテルにあるバーでザ・キュアーのCDの山を前にしていた。彼は1枚ずつ手に取り、笑顔を浮かべたり、時には思い切り顔をしかめたりしながら、各アルバムについて語ってくれた。

過去にもそうだったように、スミスは最新作がバンドの最後のアルバムになると確信していた。しかしその予想は外れ、2004年に本誌(米ローリングストーン)は同記事をアップデートしている。それから4年後、彼は再び本誌の取材に応じ、同記事には2008年作『4:13 Dreamについての内容が加筆されることになった。


1.
『Three Imaginary Boys / Boys Don’t Cry』
1979年 / 1980年
Three Imaginary Boys

送りつけたデモテープがほぼすべてのメジャーレーベルから却下された後、ロンドン郊外の町クローリー出身の幼馴染3人は、ポリドールの傘下にあるフィクション・レコーズと契約を交わした。レーベルオーナーでプロデューサーのクリス・パーリー(ザ・ジャムとスージー・アンド・ザ・バンシーズをポリドールと契約させた仕掛け人)の指揮のもと、ザ・キュアーはデビューアルバム『スリー・イマジナリー・ボーイズ』を、ロンドンのMorgan Studiosでわずか3日間のうちにレコーディングした。その翌年、Fictionは同作にバンドの初期シングルを追加した改訂盤『ボーイズ・ドント・クライ』をリリースしている。



スミス:デビューアルバムに収録されてる曲群は、僕が2〜3年かけて書いたものだ。「10:15 Saturday Night」や「Killing An Arab」を書いたのは16歳の頃で、アルバムをレコーディングしたのは18歳の時だったんだけど、中には完全には納得のいってない曲もあった。「Boys Don’t Cry」とか、ポップな曲群はどうかしてるってくらいナイーブだよね(笑)。でも毎日学校に通うだけで、実体験じゃなくて本で読んだ内容を歌にするしかなかったティーンエイジャーにしては、なかなか良い出来のものもあると思う。

同じスタジオでザ・ジャムが昼間にレコーディングしてたんだけど、僕らは夜にこっそり彼らの機材を拝借してアルバムをレコーディングしたんだ。その管理を任されてた顔見知りのやつに頼んで、テープマシンとかそういうのを使わせてもらった。

キュアーのディスコグラフィーの中で、1枚目は最も好きになれないアルバムなんだ。自分で書いた曲だし、歌っているのは紛れもなく僕自身だけど、それ以外のことには一切口出しできなかったからね。プロダクション、収録曲の選択と曲順、それにアートワーク、そういうのは全部僕じゃなくてパーリーが決めたんだ。僕は若いなりに、そのことをすごく理不尽だと感じてた。アルバムを作ることをずっと夢見ていたけど、いざその時が来たら自分の意見はまるで無視されてしまった。その時に決めたんだよ、今後は制作費は自分たちで負担して、作品に関するすべてのことを自分たちで管理しようってね。


※Spotifyはこちら

Translated by Masaaki Yoshida

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