ブラックフェイス発言に性的暴行疑惑...バージニア州でいったい何が起きているのか?

米バージニア州のラルフ・ノーサム知事(Photo by Katherine Frey/The Washington Post via Getty Images)

2月上旬、米バージニア州のラルフ・ノーサム知事は過去に「ブラックフェイス(黒塗り)」をしたことがあると認めた。知事が所属する民主党幹部のほぼ全員がすぐさま辞任を要求したが、いまだに彼は現職にとどまっている。

だが仮にノーザム知事が身を引いたとしても、後任に名を連ねる人々も少なからず問題を抱えている。次席のジャスティン・フェアファックス副知事は、性的暴行の容疑で現在係争中。その次に控えているのはマーク・ヘリング州司法長官だが、彼も1980年代に顔を「黒塗りのメイクをした」ことを認め、バージニア州の政界は混沌を極めている。

マーク・へリングはツイッターで次のように声明を発表。

「1980年代、私は当時19歳の大学生でした。何人かの友人からパーティへ誘われ、当時流行っていたカーティス・ブロウなどのラッパーの格好をして、1曲披露しようということになりました。今こうして文面にしてみても、ばかげていると思います。ですが、当時の無知と軽率な態度のせいで――また、他人の経験や立場への理解がいたらなかったせいで――、我々は服を着替え、かつらをかぶり、黒塗りのメイクをしたのです」

4番目に名前が挙がっているのは、共和党のカーク・コックス氏。コイントスでバージニア州下院議会の議長に就任した人物だ。昨年11月の州議会選挙で、共和党のデイビッド・ヤンシー氏と民主党のシェリー・シモンズ氏が、いずれも1万1608票で並んだ。バージニアの州条例では、票を再集計した後も同票の場合は、くじ引きで当選者を決めると定めている。州の選挙管理委員会がくじで引いたのは、ヤンシー氏の名前。これによりヤンシー氏が議席を獲得しただけでなく、共和党が州議会の過半数を占めることになったのだ。

2件の黒塗りスキャンダルと性的暴行容疑を受け、あの時のくじ引きのおかげで共和党が知事の後釜に収まる可能性も出てきた。

Translated by Akiko Kato

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