ロイ・エアーズ来日、柳樂光隆が語るその魅力「グラスパーら先駆者の理想的モデル」

2013年撮影のロイ・エアーズ(Photo by Paul Warner/Getty Images)

華麗なヴィブラフォン・プレイとソウルフルなサウンド作りで、あらゆる世代の音楽ファンを虜にしてきた“キング・オブ・ヴァイブス”ことロイ・エアーズの来日公演が、3月7日〜9日にブルーノート東京で開催される。

ロイ・エアーズは60年代から第一線で活動を始め、1971年に自身のユニット“ユビキティ”を結成。「ランニング・アウェイ」「エヴリバディ・ラヴズ・ザ・サンシャイン」「サ―チング」「ウィ・リヴ・イン・ブルックリン、ベイビー」といった名曲を発表してきたほか、パム・グリア主演の映画『コフィー』のサウンドトラックも担当。エリカ・バドゥ、ロバート・グラスパー、コモン、モス・デフ、タイラー・ザ・クリエイターなど、彼を敬愛するミュージシャンは後を絶たない。

今回、Rolling Stone Japanに『Jazz The New Chapter』シリーズで知られるジャズ評論家の柳樂光隆がコメントを寄せてくれた。

柳樂:ロイ・エアーズほど幅広い音楽にチャレンジしてきたジャズ・ミュージシャンも珍しい。しかも、時代に寄り添いながら、ジャズを起点にソウルやファンク、ディスコと広い意味でのブラックミュージックを模索しながら、自分だけのやり方で実践してきた偉人だ。

彼はニューソウルやファンクのみならず、アフロビートにまで関心を示し、過去にはフェラ・クティとも共演している。その姿勢は同時代のヒップホップやR&Bを消化して新たな音楽を生み出し、フェラ・クティの子供たちともコラボレーションしたロイ・ハーグローヴやロバート・グラスパーを筆頭とした、先進的なアフロアメリカン・ジャズ・ミュージシャンの理想的なモデルになっていたようにすら思う。ロイ・エアーズが積み上げてきたものの意味を、21世紀の今だからこそ再考すべきなのだ。


フェラ・クティ&ロイ・エアーズの1980年作『Music of Many Colours』







ロイ・エアーズ・ユビキティ来日公演

日時:2019年3月7日(木)〜9日(土)
会場:ブルーノート東京
ミュージックチャージ:8500円

■メンバー
ロイ・エアーズ(Vib)
マーク・アダムス(Key)
トレヴァー・アレン(Ba)
クリストファー・デ・カーマイン(Dr)

■DJ
3月7日(木)DJ KOCO a.k.a. SHIMOKITA
3月8日(金)沖野修也 (KYOTO JAZZ MASSIVE)
3月9日(土)DJ Mitsu the Beats (GAGLE/Jazzy Sport)

詳細:http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/roy-ayers/

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